• 業種ゲーム/エンターテインメント
  • 企業規模500名以下
  • 導入サービス
    プロジェクト運営支援開発・テストプロセス標準化

不足するテスト工数を依頼するだけはなく、目指していたのは、支援を受けながら私たち自身も成長すること。

SHIFTがご支援する以前の課題や導入いただいた経緯をお聞かせください。

プロダクト・サポート部 部長 島田様(以下、島田様)

「CLIP STUDIO PAINT」の成長とともにテストボリュームが年々増えてきていたので、テストの効率化と体制やフローの見直しを図るべく自動化を検討していました。その際、各デバック会社さんにいろいろと相談をしていくなかでSHIFTさんに出会い、SHIFTさんのソフトウェアテスト事業そのものに興味を惹かれたのが、依頼を考えたきっかけです。

SHIFTのテスターさんは入社試験で狭き門を通ってきたプロの集団であることへの安心感、案件管理者と設計者にわかれた体制や、まさに弊社がやりたいと思っていたような標準観点シートに沿ったテストはとても魅力的でした。また、「CLIP STUDIO PAINT」はある種特殊なアプリなので外部に依頼する際は、通常、詳細な情報や業務インプットからはじめないといけません。しかしSHIFTさんでは同じような事例の実績があると伺い、課題のテスト品質の向上だけではなく、こちらが学ぶことも多いのではないかと思い、ご依頼させていただきました。

実際にご一緒させていただいて、いかがでしたでしょうか。

プロダクト・サポート部部長島田様
島田様

案件の実施に終始するこれまでの外部委託先とは異なり、毎回テスト終了後にその結果に関するフィードバックがあり、課題と提案がセットでいただけました。自分達では見つけることのできない客観的な視点による課題感や気づきは、私たちとしてもすごく学びになり、ありがたかったです。

また、現在も担当いただいているお2人が、決められた範囲だけやるという姿勢ではなく、例えばその先までキャッチアップして提案や相談をしてくださるなど、セルシスの社員のようなマインドで働いていいただけていることがとても頼もしく、信頼しています。

そういっていただけて、うれしいです。 その後、テストだけでなく、部門を越えて開発部門へSHIFTをご紹介していただいたと伺いました。

島田様

はい。実際にテストを支援いただくなかで、プロダクト・サポート部のスキルアップだけでは解決できない課題が上流工程にあるのでは・・・と感じていたのです。そのタイミングで、まさにそういった上流工程に関する課題解決のご提案をいただいき、SHIFTさんと一緒にアプローチできないかと思い、開発部門の稲葉さんに相談しました。

ソフトウェア工学と多数の開発現場での
ノウハウ、そして現場寄り添い力が魅力。
大規模プロダクトを支える開発体制を
SHIFTとともに。

島田様からこのお話があったとき、開発部門ではどのような課題をおもちだったのでしょうか。

取締役 CTO 稲葉様(以下、稲葉様)

SHIFTさんから「開発全体のプロセスを見直す品質PMOサービスはどうか?」とお声がけいただいたのは、たしか2022年の10月だったと思います。弊社は、開発者が1つの案件を担当し、最後まで一貫して進める開発スタイルで、マネージャーや開発担当者の裁量で進めてきました。しかし、プロダクト規模が大きくなり、関わる人・部署が増えるにつれ、このやり方に限界を感じていたのです。
そのようななか、SHIFTさんと実現したいことが、大きく3つありました。

①上流工程から下流行程を明文化して開発プロセスを確立したい
②標準ドキュメントをつくり、手戻りを減らすとともに、テスト部門からの質問にもスムーズに対応したい
③テスト設計を導入し、弊社のテスト部門内でそれを作成できるノウハウを身につけたい

これらの詳細をメモに書いてお渡ししたのが、開発部門とSHIFTさんとのはじまりだったのではないでしょうか。

どういった点に魅力を感じ、SHIFTの導入を決定していただけたのでしょうか。

取締役CTO稲葉様
稲葉様

サービスの提案いただく前にSHIFTさんの「ヒンシツ大学」を受講させてもらいました。(*)私はもともと大学時代にソフトウェア工学系も勉強していたので、開発工程の一般的な流れは知っていたのですが、講義を受けてみると、大変学びが多かったのです。きちんとしたソフトウェア工学をベースにしつつ、SHIFTさんがこれまで携わられてきた、さまざまな案件のノウハウや事例で講義内容が補強されていて、SHIFTさんへの期待感がもてました。

魅力を感じたもうひとつは、寄り添い力です。
たとえば、正しいソフトウェア工学の知識をもってきて「これが正解です」といわれても、現場に適用するかはまた別の話です。特に弊社の場合、課題があるとはいえ一定の地位を確立しているアプリであり、その開発体制を変えるとなると「一般論に当てはめて果たしてよくなるだろうか?」「むしろ、うまくいっていたところも、うまくいかなくなるのではないだろうか?」という危惧もあります。
しかしそこは、私が共有したメモだけでなく、すでにテスト部門に参画いただいている方へのヒアリングや、弊社の内製志向をくみ取っていただくなど、我々に寄り添った提案をいただけたところが非常に魅力的でした。
SHIFTさんとなら、ソフトウェア工学の一般論をベースに、我々の開発をもっと高いレベルへ引き上げることができる。そんな確信と期待感があったため、迷いなくSHIFTさんへの依頼を決めました。

*「ヒンシツ大学」・・・株式会社SHIFTがこれまで培ってきた「ソフトウェアテスト」「品質保証」のナレッジを言語化し体系化した専門教育機関

ありがとうございます。開発部門でもご一緒させていただいて、いかがでしたでしょうか。

稲葉様

4ヶ月間で、現状の開発プロセスの分析と、それを踏まえたうえで諸々の課題に対する運用フローの変更や標準ドキュメントの整備、テスト設計体制の構築をしていただきました。新しい運用フローの現場導入はこれからですが、過去のプロジェクトに当てはめた場合、開発時に約30%の課題が事前に削減できることがわかっています。
新運用フローや標準ドキュメントの使用に関して、トライアル前の開発メンバーには「大変そう」という所感をもった方もいたのですが、「実際にやってみたら意外と新しいドキュメントの方がはやく済んだ」「後々の作業が楽になった」という声も多く、今後の運用に期待感をもっています。一方、テスト部門からは「100%導入してほしい!」とリクエストが(笑)

島田様

テスト部門としては、導入コストがかかっても、きちんとした形式でドキュメントが共有され、自分たちでその情報を得てテスト設計ができるというところに期待しています。

株式会社セルシス様導入事例
稲葉様

ある会議の最後、少し時間があまったときに、SHIFTのOさんが弊社の開発を見て感じた課題と分析を出してくださったことがあったんです。完全におまけだったのですが「これがないことで、これだけ損をしている」というような分析で、私も同じように思っていたことでした。ちょうど開発部門がとても忙しい時期で、いまはまだ部門内に共有できていませんが、小出しに使わせていただこうと思っています。

島田様

「すごくいいことをいってくれている!」と思って私はすぐに部門に共有しました。

稲葉様

部門共有が、はやい!(笑)弊社は技術畑の人間が多く、内製にこだわりがあるうえに、これまで独自の進め方でうまくいっていたこともあり、外部との協業はあまり考えてこなかったのですが、SHIFTさんにお願いしてよかったです。「これだけ多くの会社の事例を見ている専門家が『こうした方がいい』といっているのだからやりましょうよ!」と社内にいいやすくもなりましたね。

拡大するユーザーの要求に応えられる品質と体制をつくり、さらに上へ。

貴社がこれから目指すところをお聞かせください。

稲葉様

今回、SHIFTさんには、あえて社内にすぐに浸透させるにはむずかしいレベルのフローや体制などをつくっていただきました。当初は、まず現実的に適用しやすいラインから導入しようと思っていたのですが、せっかくならもっと上のレベルを目指したいなと。いくつかの案件をピックアップして自分たちでトライアルをし、新しい開発フローで取り組める開発者を徐々に増やしながら、向こう1年ぐらいかけて段階を踏みながら浸透させていこうと計画中です。今回、新しいフローや体制などを構築できたのは、島田さんにSHIFTさんをご紹介いただけたから。とても感謝していますね。

島田様

開発とテストは一心同体で、同じ目標や認識で進んだ方が高品質なサービスになります。テストで抱える問題は同時に開発現場でも困ることだと思うので、今回の取り組みを開発部門の方々が理解し受け入れてくれたところが一番大きかったです。お互い協力し合いながら、さらなる品質向上に向けてフラットに取り組んで行きたいです。

稲葉様

弊社には、やりたいことが本当に無限にあるんです。今回SHIFTさんにご依頼させていただいたことをひとつの機会に、大規模プロダクトを長期的に支えられる体制を整え、品質も向上させ、もっともっとできることを増やし、アプリを利用いただいているクリエイターにより多く貢献できるようにしていきたいと思っています。

※掲載内容は2023年7月取材時のものです。

株式会社セルシス様

株式会社セルシス様

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