• 業種製造
  • 企業規模10,000名以上
  • 導入サービス
    企業価値向上タスクフォース『TEVA(ティーバ)』

様々な業界の課題解決をPDFにまとめました

いくつかの導入事例をまとめたファイルをご用意しております。
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Summary

山九株式会社様は100年を超える歴史のなかで、機工・物流という二大セグメントとオペレーションメンテナンスを軸に事業を展開してきました。近年、日本の株主総会や投資家対話の質的変化を受け、「エクイティガバナンス」や「ROIC経営」への本格対応を迫られた同社は、経営の目線をPL型から資本効率重視へと大きくシフト。企業価値向上タスクフォース『TEVA』のSHIFTとの共創やIR部門の独立化などを通じて、全社的な意識改革と組織変革に挑んでいます。

近年の株主総会の変化と
『エクイティガバナンス』への意識転換

山九株式会社様
山九株式会社 専務取締役 事業管掌CSO 久木原 剛 様(以下、久木原様)

当社は、機工・物流の2大セグメントを国内外で展開し、創業100年を超える歴史をもつ企業です。私自身は入社以降約30年に渡りプラントの建設など事業側の仕事をしてきましたが、現在は経営側にシフトし、組織運営やガバナンス強化に注力しています。

SHIFT 廣田

近年、株主総会が予定調和の時代から終焉し、機関投資家から厳しい要請が相次いでいます。貴社において、なぜいま、このような変化が生じているのでしょうか。

久木原様

中期経営計画の修正を公表し、エクイティガバナンスに本格対応する必要が生まれました。投資家との対話を通じて、ROE10%改善やKPI設定の重要性を痛感し、社長の強い意志とSHIFT様のサポートのもと、有期タスクフォース『TEVA』を生み出しました。市場と真正面から向き合う覚悟の表れです。

事業部目線と経営目線の壁
──PL vs 資本回転率の意思決定

山九株式会社様
久木原様

当社は長年鉄板の事業運営体制があり、PL目線では利益率や売上を重視しがちですが、資本効率で見ると意思決定の最適解が変わります。投資額・利益率だけでなく、資産回転率を重視することが投資家目線では不可欠。その変革は非常に困難ですが、時代の流れに合わせ少しずつ変えています。

SHIFT 廣田

一般企業では利益率の高いプロジェクトBを選びがちですが、資本回転率重視の投資家目線ではプロジェクトAが合理的選択となります。歴史のある企業でのこうした意思転換の難しさがあるなかで「目標の全社的共有がもっとも重要」「急激な改革は齟齬を招くため、段階的な意識改革を進めている」ということですね。

企業価値向上タスクフォース『TEVA』とは

山九株式会社様
SHIFT 廣田

『TEVA』は、企業様の構造改革を見据えた企業価値向上を実現するべく、中長期的な運営体制の構築および伴走支援を行うコンサルティングサービスです。企業様の課題を取り除き、企業価値の向上を実現するためには、経営の可視化を推進し、各組織のKPIを明確化することでマネジメントレイヤーが適時分析できる体制を構築することが必要です。これにより、従来のセクショナリズムによる部分最適な経営から脱却し、全体最適な経営判断が可能となり、潜在価値の最大限と投資家をはじめとするステークホルダーとの円滑なコミュニケーション体制が実現します。

久木原様

弊社は創業100年を超える歴史をもっております。今後のさらなる山九の成長を見据え、特にバランスシートの最適化を通じた資本効率の向上を事業部にも浸透されるうえでも、TEVAの運営は重要であると思っております。

山九株式会社様
※株式会社SHIFTが提供するEVACのサービスメニュー、企業価値向上タスクフォース『TEVA(ティーバ)』のイメージ図

『TEVA』による全体最適化の推進
──シナジー探索と組織の役割

SHIFT 廣田

事業部では自らの事業部のみを主語とした部分最適が優先されがちですが、上場企業である以上、企業価値の向上を前提とした全体最適化が不可欠です。CFO・COO・CHRO・CIO各部門が力を合わせ、全社レベルで企業価値向上に取り組む必要があります。外部コンサルの活用や、忖度を排した対話が変革推進の鍵です。

久木原様

事業側が利益を稼ぐ個別最適に集中し、経営側が全体最適を担う――この役割分担を明確化しました。複雑な事業の歯車がさまざまな接点・シナジーを生み、『TEVA』はその可能性を探る組織。IRの独立や『TEVA』を通じて、組織横断・市場対応力を強化しています。

ROIC経営の実践と評価軸の確立

SHIFT 廣田

ROIC経営の実践は社内でも難易度が高いと思いますが、どのように取り組まれているのでしょうか。

久木原様

ROICはとっつきにくい指標ですが、経営方針・目標に一貫性のある評価軸を設けることが重要です。特に事業拡大時より縮小・強靭化フェーズではROICが不可欠。セグメントごとのコスト算出や適正評価の導入が今後の課題です。

歴史的に物流と機工部門の両軸で事業を進めてきましたが、コスト算出方法や評価軸を明確化せず進めてきた課題があります。今後は、組織横断の仕組みと、外部との防波堤として独立したIRや『TEVA』の役割を強化し、適正な分業と全体最適を目指します。

今後の展望

久木原様

創業100年を超える企業でも、エクイティガバナンスの時代に対応するためには、歴史的慣行を見直し、全社最適への組織横断改革が不可欠です。段階的・着実に進めることで、新たなシナジーや企業価値向上の道が開けると確信しています。

山九株式会社様

※掲載内容は2025年7月開催のセミナー「劇的な組織変革と行動変容を促すための手法とは」にて行われたパネルディスカッションから参照しています。

山九株式会社様

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