• 業種ゲーム/エンターテインメント
  • 企業規模1,001名以上~5,000名以下
  • 導入サービス
    ヒンシツ大学

Summary

ゲームをはじめ、ライブストリーミング・スポーツ・まちづくり・ヘルスケア・メディカル・オートモーティブ・Eコマースと、多角的に事業展開する株式会社ディー・エヌ・エー様。
SHIFTは、主力となるゲーム事業でのテストを中心とした品質向上のご支援に加え、SHIFTが培ったナレッジを言語化し体系化した専門教育機関「ヒンシツ大学」を通したスキルの底上げでもご支援を実施中。

自走型スタイルのスケールには、
スタッフのスキル統一と底上げ教育が課題

「ヒンシツ大学」を導入いただく前からご一緒させていただいていると伺いましたが、いつ頃からでしょうか。また、導入を検討いただいときはどのような課題感をおもちだったでしょうか。

品質本部 品質管理部 QC第一グループ グループマネージャー 竹内様(以下、竹内様)

お付き合いが始まったのは、たしか、私が参画する前の2014年頃だったかと思います。

SHIFT清水

当時SHIFTもエンターテインメント事業が立ち上がったばかりの頃でしたが、SHIFTの「ヒト・ナレッジ・ツール」という強みを最大限活用したテストをご提案させていただいたのが最初でしたね。

株式会社ディー・エヌ・エー様
竹内様

「ヒンシツ大学」を検討したのは、私が検証業務のマネジメントをするようになった2021年頃です。
弊社は基本的に自走型で、スタッフそれぞれがバリューを発揮するというスタイルなのですが、見渡してみると、プロジェクトごとにテストの生産性や報告書の記載粒度といったアウトプットの質に差が出ていました。今後さらに体制がスケールしても安定して高い品質を実現するためには、スタッフ間のスキルの統一と底上げが急務であり、そのための教育が必要だと感じました。

SHIFT伊藤

ちょうどその頃、定例会の中で「ヒンシツ大学」をご紹介したところご興味を持っていただけたので、すぐに担当者からご提案させていただきました。

竹内様

当初は社内で教育することも考えたのですが、100名を超すスタッフに教えるとなるとコストも時間もかかります。なにより現状と理解度を客観的に評価できる仕組みが必要だと感じていました。「ヒンシツ大学」では、最初に検定を行い現状のスキルレベルを可視化した上で、最後にもう一度検定をして理解度を確認できる点が魅力でした。いくつか他社の教育サービスも聞きましたが、これができるのは当時「ヒンシツ大学」だけだったように記憶しています。

SHIFT伊藤

受講者全員を一律にとらえて教育を提供すると、成果に対するコストや時間の無駄・非効率さが必ず発生します。まずは、それぞれの能力を可視化するところからスキルアップを支援するのが「ヒンシツ大学」の特徴です。

竹内様

それだけでなく、今まで社内でのテスト業務は、日々の業務の中で経験を積み重ねてきたもので、全体像を体系的に把握しているメンバーはいなかったように思います。

SHIFT清水

たしかに、お客様内でOJT的に業務に必要なスキルを教えられても、ソフトウェアテストを体系的に学ぶ機会はそう多くないかもしれませんね。

株式会社ディー・エヌ・エー様
竹内様

そうですね。OJTや業務を行う中で職人のように覚えながらやってきたことを体系的に学ぶことで、「全体だとこういう形なのか!」という気づきや「検証業界って奥深い!」と感じることは、絶対に学ぶ意欲になってくる。そのきっかけになるというのは大きいと思います。

テスト計画はグレーゾーンをクリアにするための重要ステップ

「ヒンシツ大学」を導入されて、いかがでしたでしょうか?

竹内様

以前よりも明らかに勉強するという雰囲気が現場にありますね!
業務に関してはこれからの部分も多いのですが、テスト計画をきちんと作るようになりました。これは、自分たちの責任範囲をしっかり捉えるという意識づけになっています。検証をやる人は自分たちが何をしているのかをきちんと伝える必要がありますが、実際には伝えないことが多いのですよ。

株式会社ディー・エヌ・エー様
SHIFT伊藤

「ヒンシツ大学」ではよく、“やらないところを宣言しなさい”という言い方をしていますが、そうすることで開発側から反応があったりします。
テストは、開発側と検証側のカバーする範囲にあるグレーゾーンをどうクリアにしていくかがとても重要です。

竹内様

ただ、そのすり合わせが口頭やダイレクトメッセージのような当事者同士のクローズドなコミュニケーションで行われていたら、他の人には分からなくなってしまう。しかし、テスト計画書があればどのような規模感であっても全員が分かりますし、記載があることで開発チームと検証チームのどちらが担当するのか、どのくらい担当するのかといった共通認識を持つことができます。

テスト対象を明確かつ可視化して、あらかじめ宣言するのはとても大切ですね!

竹内様

われわれゲーム業界の人間は全員やってほしいと思います。

株式会社ディー・エヌ・エー様
SHIFT清水

ゲーム業界の伝統として、テスト工程で行われている作業をデバッグと呼んでいます。これは「開発者の業務の一部を代替する作業」であるからこのような呼び方になっているのですが、この場合、テストケースもなければインプットとなるテストベースもない。カバレッジを担保するためには大量の人員を投入する人海戦術をとるしかありません。もちろん、この方法でもゲームの品質が保たれている以上、ある種の正解だと思います。ただ、開発が大規模化し、市場競争が激化している現在、このやり方には限界が来ていると考えています。運用タイトルの場合ずっとコストがかかり続けますからね。
そういう意味ではディー・エヌ・エーさんはもともといわゆるデバッグではなくソフトウェアテストの手法を用いたテストを行っていたと記憶しています。

竹内様

今回、受講の継続を決めたのも、まだまだ学ばなくてはいけないと感じたからです。
それと、我々に合わせて講座を魅力的なものにしていただいたことも要因です。
「レビュー技法とレビュー観点」についてなのですが、業務の中で日常的に行われているものではあるのですが、どのようにレビューしていくかを体系的に学ぶことが出来たことは良かったと思っています。実践演習も多く、経験豊かな講師陣のノウハウや経験談がつまった構成の講座は他社にはないですよ!

SHIFT伊藤

もともとインスペクションの講座はひとつだけだったのですが、今回ディー・エヌ・エー様向けにレビュー技法と観点に分けました。また、私たちは短期間でたくさんのことを持ち帰っていただきたいので、普段使わない用語で「?」となる時間を減らすために、業界によって用語を変えたりもします。ある金融系のお客様には、2か月間みっちり受けていただく上流の品質作りこみ講座を金融系の用語にカスタマイズしご提供しました。
お客様にあわせてカスタマイズするのが「ヒンシツ大学」です!

次のテーマは実務への再現性

1年終えられていかがでしたか。

竹内様

テスト計画書をきちんと作ろうという意識が身についたことはもちろん、ソフトウェアテストの技法を体系的に学び、費用が限られている中でどこにどうコストをかけて検証していくかを考えていく意識にも繋がりました。

SHIFT清水

これはゲーム開発に限らずですが、品質に100%大丈夫というゴールはありません。一方で、当然予算は限られています。テスト工程は計画を立てて検証範囲をしっかり決めないと、無限にコストを掛けられてしまうので、現場のみなさん個々のスキルアップをはかることで、この限られた予算内で最高のパフォーマンスを出せるような施策を試行錯誤しながらされていると感じます。

これからの課題や「ヒンシツ大学」に期待することはなんでしょうか。

株式会社ディー・エヌ・エー様
竹内様

研修を受けた後、再現性がどうなっているかということをテーマにしています。たくさん研修を受けて、理解し言葉も使えるようになりましたが、それを業務に生かす再現性の技術がまだ弱いような気がしています。理解したことを実務に反映できているかを見てみると、不十分な点も多く見受けられました。
業務の具体的な内容に踏み込めないフォローアップではなく、例えば、教えてくださる方が現場に入り、メンバー全員をフォローし底上げしていくという中で再現性が上がるといいですね。そういったことをされているところはあまりないので、SHIFTさんがしてくださると嬉しいです。期待しています(笑)

SHIFT伊藤

業務のリアルにまで踏み込むフォローアップ派遣ですね。

竹内様

そうですね。業務に一歩踏み込み、出来ていなかった点をメンバーと確認して直すように進めていくということができたら最高です!

株式会社ディー・エヌ・エー様

※掲載内容は2023年9月取材時のものです。

株式会社ディー・エヌ・エー様

株式会社ディー・エヌ・エー様

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