株式会社GA technologies様 導入事例
事業の成長を加速させるため
品質向上からPdMなど多方面
で支援


Summary
AI不動産投資「RENOSY」を展開し、テクノロジーと人間力を融合させることで不動産業界をはじめ、革新をもたらしている株式会社GA technologies様。SHIFTは、テストを中心とした品質向上の支援に加え、PdMなど支援を実施中。
品質保証を体系的に積み上げることで
より安心してご利用いただけるサービスに
貴社が現在注力していることについて教えてください。

株式会社GA technologies(ジーエーテクノロジーズ)は、「テクノロジー×イノベーションで驚きと感動を生み、世界を前進させる。」を企業理念に掲げ、不動産をはじめ、様々な産業のビジネス変革に取り組むテック企業です。
そのなかでも注力しているのは、メイン事業でもあるAI不動産投資「RENOSY(リノシー)」です。購入・管理・売却をワンストップで提供。安心・簡単・最適な、不動産による資産形成を実現し、運用効果を最大化します。
当社サービスの導入を検討された「きっかけ」を教えてください。
当社はこれまで毎年約130%の成長を続けています。今後さらなる事業成長を目指すなかで、RENOSYをより安心して利用いただけるサービスやプロダクトにしていかなければならないと考えていました。
現在も一定の品質は提供できていますが、品質保証の部分は体系的に積み上げることができていませんでした。そこで品質保証に強い会社の知見を借りながら、さらに加速していきたいと考えパートナーを探しはじめたのがきっかけになります。
どんな案件からスタートしたか教えてください。
やはり品質保証のパートナー選びは、企業の調査だけではわからないところが多くありました。なので、まずなにか依頼をさせていただき、当社にプラスになるようなアウトプットを出していただけるかで判断をしようと考えました。その中で最初に依頼させていただいたのがSHIFTさんでした。
実際に、最初にアサインいただいた2名が、本当に期待を超えるアウトプットを出していただきました。その手応えから「次はこれをお願いしたい」と、継続的なご依頼につながっています。
社内でも「こういうことをやっていく」と説明するにはファクトが必要です。「SHIFTさんにこういう風に動いていただいて、こういう成果が出ています。さらにこちらにも適用できそうです」という内容を経営陣に説明して、だから「SHIFTさんへ依頼することが必要です」というかたちで社内の承認を進めていきました。今では「QAも含めてSHIFTさんに相談してみよう」という声が他からもあがるようになってきたと感じています。徐々に積み重ねているという状況です。

まず、RENOSYはもともと外部へ業務委託をする文化がないと伺っていました。そのなかでご提案のポイントとしては、130%以上の成長を掲げて挑戦されているRENOSYと、同じ志を弊社も持って日々取り組んでおります。そして、その力強い成長のなかでは、いわば「成長痛」ともいえる品質に関する避けられない課題があり、そこにこそ次なる飛躍の可能性があると考えました。
事業の成長スピードを加速させつつ、プロダクトの品質を担保していく。その両立こそが重要なテーマであり、まさに私たちが最も強みを発揮できる領域です。そこで課題を明確化し、「ぜひお任せください」と自信をもってご提案いたしました。
初期に参画した2名のメンバーが、わずか2ヶ月で期待を大きく上回る成果を創出してくれました。その実績が評価され、次のご依頼へとつながったのです。まさに立ち上げメンバー2名の貢献が大きな原動力となりました。
業務を可視化し改善を提案
コミュニケーションをしながら伴走
現在の支援内容について教えてください。
私はPdMとして、RENOSYの販売プロダクトへのディレクション業務を支援しております。他のメンバーが今は3つのプロダクトに対してQAを実施しています。実は仕様書がなかった部分もあり「それを作らせてください」ということで作っています。また、コンサルも入っており、業務を可視化し、業務改善のご提案をさせていただいています。
テストの設計をして実行していくというのは、私達のスタンダードです。設計をしていくとお客様の業務要件の理解が深まります。それを応用して、仕様書の整備などへの展開が可能になります。
当初はテストの支援で入っていただいていましたが、その中で改めてプロダクトの機能仕様書が存在しないことは、大きな課題だと感じるようになりました。これはPdMとしてプロダクトの全体像を把握し、要件定義や開発の方向性を定める上で、重大なリスクとなります。エンジニアはソースコードを見れば、現状なにが動いているかを把握できますが、PdMはそれができません。そうなると、次の機能を検討する際に「これはどうなっていたっけ?」と調査に時間がかかってしまいます。そういった時間の短縮を含めて、機能仕様書を作りたいと思っていました。ソースコードを読んで機能仕様書を作るというのは、中々重い作業です。どうなるかと思いつつ相談させていただきましたが「もちろん」という感じで返答いただきました。
当初はどのようにできていくのか、アウトプットのクオリティがどのレベルなのかは、一緒に見ていかなければならないと思っていました。しかし、作成いただいた機能仕様書は、ロジックツリーまで網羅された質の高いものでした。このレベルのドキュメントが整っていることで、プロダクト開発における認識齟齬のリスクが大幅に軽減されます。この成果を見て、安心して今後もお任せできるなと思いました。
苦労した点とそれをどのように解決できたか教えてください。

立ち上げ当初からのメンバーに聞くと、先ほども言いましたが、仕様書がなかったというところが一番苦労した点です。扱ったことのないプロダクトやシステムですので、どう設計していけばいいのかというところが一番の課題でした。しかし、奥野さんをはじめPdMの方々とのコミュニケーションが非常に取りやすく、質問を出せばすぐに回答をもらえたことが非常に助かりました。それがなかったら、おそらく短期間で設計書を起こして実行まで進めるのは難しかったのではないかという印象を持っています。
我々が参画させていただく際に、お客様がどれだけ協力的に動いていただけるかというのは、我々が立ち上がる上でのキーポイントでした。必ずしも我々だけの実力で進めるわけではありません。立ち上げ時のキャッチアップに協力的に動いていただける体制はかなりありがたかったです。
まず依頼者側の課題に対する解像度が低いと、プロダクトの進行は非常に困難になります。曖昧な課題感でプロジェクトを進めると、期待していたアウトプットと最終成果物にギャップが生じることが多々あるためです。
私自身、過去にハードウェア・組み込みソフトのエンジニアや、ディレクション・企画の経験があったので、どのような品質のプロダクトを目指すか、どのようなテストが必要、その結果をどう分析すべきかという点について高い解像度を持っていました。そのため、制作いただいた成果物を適切に評価・判断することができ、プロジェクトをスムーズに進めることができたと思います。
お客様のリテラシーが高いという恵まれた環境がありました。オーダーいただく内容が明確で、我々がお出ししたものをしっかりチェックしていただくという点も含めて、非常に協力的に進めていただいているため、より我々がバリューを発揮できるのだと思います。
難しい内容の仕事ではありますが、業務は非常にやりやすいという点もあります。こちら側がよく分かっていないため、ふわっとした質問を出してしまうことがあるのですが、それに対して真摯に回答をいただけるので、非常に助かっています。
SHIFTに期待していることや要望について教えてください。

RENOSYでは、ご購入いただいた物件を管理する賃貸管理業務も行っています。この賃貸管理業務の業務フローの可視化と基幹システムの刷新プロジェクトを進めています。コンサルチームとの協業を通じて、2年後のシステムの刷新に向けた業務の自動化や共通化を進めている段階です。さらに、このプロジェクトで構築したプロセス最適化のフレームワークは、今後同様の課題を持つ仕入れ・販売領域のオペレーションにも適用したいと考えています。
また、RENOSYが持つ大きな成長機会(伸びしろ)は、他社がまだ未着手である領域に存在します。これまで不動産業界に根付いていた紙での煩雑な業務や、複雑な事業構造、新しいテクノロジーを受け入れづらいという慣習が大きな壁となっていました。その課題をRENOSYが、自社のテクノロジーを駆使して業務効率化を進めるだけではなく、将来的にはこのモデルを不動産業界全体に広げ、業界全体のテクノロジー化を担っていければと考えています。
これまでのご支援で、RENOSYの社内オペレーションの品質を確かなものにできました。これからの私たちのステップは不動産業界全体に、これを拡張していくことです。具体的には、これまでとは異なるプラットフォームの開発を検討したいと考えており、そのためのアーキテクチャ設計やロードマップ策定について、ぜひご協力をお願いできればと思います。

※掲載内容は2025年7月取材時のものです。