チャットボットとは?仕組みや活用例、導入するメリットについて解説

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チャットボットとは?仕組みや活用例、導入するメリットについて解説
株式会社SHIFT マーケティンググループ
著者 株式会社SHIFT マーケティンググループ

Introduction

商品やサービスの紹介サイトやECサイトなどに「何か質問はありませんか?」と聞いてくるプログラムが設置されているのを見たことがある方も多いでしょう。質問したいことを入力すると次々と質問が細分化されていき、自分の知りたいことに近い選択肢を選んでいくなどの方法で、最終的に知りたい情報を教えてくれるものです。

これはチャットボットと呼ばれるもので、人間と話しているかのように、自動的に会話を行えるコミュニケーションツールです。

この記事では、チャットボットとはどのようなものか、どのような機能が備わっているのか、具体的な活用例などについて解説します。

目次

チャットボットとは?

チャットボットとは?

Webサービスの端の方で「何か質問はありませんか?」などと質問を受けつけ、わからないことを聞くと答えてくれるプログラムが設置されていることがあります。これはチャットボットと呼ばれ、質問をすると自動的に回答を返してくれる便利なツールです。

ここでは、チャットボットとはどのようなものか、その機能などについて解説します。

自動会話プログラムのこと

チャットボットとは「チャット」と「ボット」を組み合わせてできた言葉で、質問したことに対して自動的に回答をしてくれる、コミュニケーションツールです。

法務省公式サイト『法務省だより あかれんが』によると、以下のように説明されています。

チャットボット

「チャットボット(chatbot)」とは,「チャット(会話)」と「ボット(ロボット)」を組み合わせた造語で,自動会話プログラムのことです。

商品やサービスの紹介サイトやECサイトなどで、商品の機能やサービスの手続き方法などを知りたい場合などに、問い合わせ窓口に問い合わせることもあるでしょう。しかし、電話やメールなどで問い合わせると、対応してもらえるまでに時間がかかることも多いです。

そこで、チャットボットを利用すれば、質問していくだけで必要な回答を得られます。顧客側としては、わざわざサポートデスクに電話やメールをして待つ必要がなく、24時間365日利用できます。企業側としても、サポートデスクに配置する人員を削減できるのは、大きなメリットです。

チャットボットには、AI機能が搭載されているAIチャットボットもあり、過去のデータから最適な回答を生成して、返してくれるものもあります。

チャットボットの機能

チャットボットには、以下のようにさまざまなものがあります。

・応答する
質問すると自動的に回答を返してくれます。

・選択を示す
どのようなことが知りたいのか、どのような方法があるのかなど、選択肢を示してくれます。

・有人窓口へ切り替える
質問をつづけていくなかで、オペレーターによる対応が必要だと判断されると、有人窓口に切り替えます。

・外部システムに連携する
LINEやMicrosoft Teamsなどのチャットツール上にチャットボットを設置するなど、外部ツールとチャットボットを連携させることも可能です。チャットツール内でチャットボットを使い、業務を行うために知りたい情報を入手するなどの使い方ができます。

FAQシステムとの違い

チャットボットとよく似たものに「FAQシステム」があります。FAQシステムは、過去に受けた質問を整理して回答がまとめられたもので、知りたいことをすぐに検索できるシステムです。

どちらもユーザーの疑問をスムーズに解決するためのシステムですが、回答にたどり着くまでの時間や手間、回答の情報量が異なります。

FAQシステムでは、ユーザーが情報を検索し、自力で回答を探す必要があります。適切な検索ワードを入力しないと、知りたいことにたどり着けない場合もあるでしょう。一方、チャットボットでは質問を入力すると、複数の選択肢を提示する、予測された内容を回答するなどが可能なため、スムーズに求める回答に到達しやすいです。

提示される回答の情報量については、知りたいことが詳細に記載された専用ページに誘導するFAQシステムの方が多いといえます。チャットボットは、SNSや小さめのトーク画面などで情報を提供するため、情報量は限られます。

チャットボットの種類と仕組み

チャットボットには、いくつかの種類があります。ここでは、3種類のチャットボットの仕組みと特徴についてご説明します。

シナリオ型(ルールベース型)

チャットボットがいくつかの選択肢を提示し、そのなかから、ユーザーが質問したい内容に該当する項目を選ぶという形式です。項目を選ぶと次の選択肢が提示されていき、知りたい内容の情報に行きつきます。最終的には、詳細な内容が説明されたWebサイトや、動画サイトが提示されることもあるでしょう。

商品説明や取扱説明書など、あらかじめ質問を想定しやすいケースに適しています。

辞書型

ユーザーが知りたいことを質問する際に、フリーワードで質問内容を入力します。すると、質問文を解析して、あらかじめ用意された辞書から該当する内容を表示します。

フリーワードで入力できるため自由に質問ができますが、事前に辞書に情報を登録しておく必要があるため、対応できる質問は限られることが特徴です。

AI型(機械学習型)

ユーザーが質問文を入力すると、過去の質問対応時の記録をAIが解析して、適した回答を返す方式です。過去のユーザーとの対話の記録を機械学習していくことで、回答の内容の精度があがっていきます。

チャットボットの活用例

チャットボットは、具体的にどのような場面で活用されているかをご紹介します。

問い合わせ対応窓口

顧客からの問い合わせ対応窓口のためのチャットボットで、商品やサービスなどに関する質問や問い合わせを受けつけます。

社内ヘルプデスク

社内ヘルプデスクの対応を、チャットボットで対応する場合もあります。社内で従業員が旅費の精算や休暇の申請などで不明点があった場合、チャットボットに質問することで、不明点を解消できます。

商品やサービスの宣伝・広告

商品やサービスに関する情報をチャットボットで提示して、顧客への認知度を高め、宣伝・広告を狙う場合もあります。

スマート家電

家庭用のスマートスピーカーなどにも、チャットボットの技術が使われています。音声入力で質問や指示を出すだけで、家電を便利に利用できます。

チャットボットのメリット

チャットボットのメリット

チャットボットを運用すると、多くのメリットが得られます。ここでは、チャットボット運用のメリットについて、ご紹介します。

問い合わせ対応の所要時間を短縮できる

問い合わせ対応のチャットボットを導入することで、問い合わせの所要時間が短縮される効果が期待できます。従来のように、オペレーターが問い合わせに対応する場合は、情報を調べる時間がかかるだけでなく、オペレーターが不足していると待ち時間が発生してしまいます。

しかし、チャットボットなら、ほとんど待ち時間が発生することがなく、迅速に対応を受けることが可能です。

24時間365日対応ができるようになる

オペレーターを配置する場合、24時間365日対応するためには人員を集める必要があり、ハードルが非常に高いです。しかし、チャットボットで対応するなら、オペレーターを用意する必要がなく、比較的簡単に24時間365日対応で運用できます。

回答レベルが均質化される

オペレーターが問い合わせ対応などを行う場合、回答のレベルはオペレーターの経験値や知識量によって異なります。しかし、チャットボットなら、用意された回答の情報やAIで機械学習した内容で回答レベルが決まり、均質化された回答を得ることが可能です。

教育コストを削減できる

問い合わせ窓口などで対応を行うオペレーターを確保するためには、商品やサービスに関する知識、対応方法などについての教育が必要です。しかし、チャットボットは開発や機械学習などを行うだけであり、配置するオペレーターに教育を行うよりは、コストをおさえられるでしょう。

蓄積したデータを活用できる

過去の問い合わせ対応などのデータを蓄積しておけば、そのデータを活用することが可能です。過去のユーザーや顧客とのやりとりを蓄積していくことで、問い合わせ対応の質の向上が期待できます。

顧客への負担が減る

従来のオペレーターに電話やメールなどで問い合わせを行う方法の場合、対応時間が限られている、対面で対応が必要なため心理的な負担が大きい、待ち時間が長いなどの顧客への負担が大きいなどの問題がありました。

しかし、チャットボットなら24時間365日対応が可能で、待ち時間がほとんどありません。質問を入力していくだけなので、顧客が心理的な負担を感じることもないでしょう。

チャットボットのデメリット・注意点

チャットボットを導入することで得られるメリットは多いですが、一方でデメリットもあります。ここでは、チャットボット導入のデメリット・注意点について解説します。

初期費用がかかる

チャットボットを導入する際には、チャットボットの開発や情報収集、QAリストの作成などの準備が必要です。導入時に初期費用がかかるため、費用対効果を得られるまでに時間が必要なケースもあります。

サービスごとに回答精度や搭載機能が異なる

あらかじめ用意した情報の量、質、チャットボットの性能や機能などはそれぞれ異なり、求める回答精度や機能を満たさないこともあるため、注意が必要です。

たとえば、チャットボットに質問しても情報が足らず、求める回答を得られない、正しい回答が返ってこないなどの問題が起こることも考えられます。

そのため、チャットボットを運用する際には、利用率や正答率などのモニタリング、対応内容の分析、情報の更新などが必要です。

セキュリティ対策が必要になる

生成AIチャットボットを利用する場合は、とくにデータの漏えいなどセキュリティの脅威にさらされる可能性があります。そのため、チャットボットを経由した社内データの流出が起こらないように、セキュリティ対策を行う必要があります。

まとめ

チャットボットとは「チャット」と「ボット」を組み合わせてできた言葉で、質問したことに対して、自動的に回答をしてくれるコミュニケーションツールです。

チャットボットをビジネスに活用することで、従来まではオペレーターが対応していた問い合わせ対応などを自動対応に切り替えることが可能です。その結果、問い合わせ対応のコスト削減や問い合わせ対応の質の向上、顧客の負担軽減などのメリットを得られるでしょう。

チャットボットの仕組みをビジネスに導入したい、顧客満足度の向上や業務の効率化に役立てたいなどの場合には、SHIFTのDXサービス開発をご活用ください。それぞれのニーズやシステム環境にあった対応で、お客様のDX推進を強力にサポートいたします。

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この記事でもご紹介したとおり、チャットボットを顧客対応や社内ツールに導入することで、問い合わせ対応のコスト削減や質の向上、ユーザーの負担軽減などのメリットを得られます。

一方で、チャットボットを導入するためには初期費用がかかる、求める回答精度を得られないことがあるなどのデメリットも存在します。また、用途にあったチャットボットを開発するためのノウハウや知識も必要です。

IT人材が不足しており、チャットボットの開発や導入を自社内で行うのはむずかしいとお悩みの企業様も多いでしょう。

そこで、SHIFTのDXサービス開発をご活用いただければ、そのようなお客様のお悩みを解決いたします。SHIFTの特徴は、独自に定義した価値基準「DAAE」や、開発手法により「売れるサービスづくり」を実現するノウハウです。DXに関する豊富な知見や多種多様な業界ノウハウを活かして、お客様の業務やお悩みに対する最適なご提案をいたします。

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永井 敏隆

 

監修

株式会社SHIFT
「ヒンシツ大学」クオリティ エヴァンジェリスト
永井 敏隆

大手IT会社にて、17年間ソフトウェア製品の開発に従事し、ソフトウェアエンジニアリングを深耕。SE支援部門に移り、システム開発の標準化を担当し、IPAのITスペシャリスト委員として活動。また100を超えるお客様の現場の支援を通して、品質向上活動の様々な側面を経験。その後、人材育成に従事し、4年に渡り開発者を技術とマインドの両面から指導。2019年、ヒンシツ大学の講師としてSHIFTに参画。

担当講座

・コンポーネントテスト講座
・テスト自動化実践講座
・DevOpsテスト入門講座
・テスト戦略講座
・設計品質ワークショップ
など多数

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ヒンシツ大学とは、ソフトウェアの品質保証サービスを主力事業とする株式会社SHIFTが展開する教育専門機関です。
SHIFTが事業運営において培ったノウハウを言語化・体系化し、講座として提供しており、品質に対する意識の向上、さらには実践的な方法論の習得など、講座を通して、お客様の品質課題の解決を支援しています。
https://service.shiftinc.jp/softwaretest/hinshitsu-univ/
https://www.hinshitsu-univ.jp/
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この記事を書いた人

株式会社SHIFT マーケティンググループ
著者 株式会社SHIFT マーケティンググループ

SHIFTは「売れるサービスづくり」を得意とし、お客様の事業成長を全力で支援します。無駄のないスマートな社会の実現に向けて、ITの総合ソリューションを提供する会社です。

ご支援業種

  • 製造、金融(銀行・証券・保険・決済)、情報・通信・メディア、流通・EC・運輸、ゲーム・エンターテイメント

など多数

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