活性化関数

活性化関数とは

活性化関数とは、ニューラルネットワークにおいて、ニューロン(神経細胞)が受け取った入力信号に対してどのような出力をするかを決定する重要な役割を担う関数です。

ニューラルネットワークは、人間の脳の神経回路を模倣した数学モデルであり、入力層、隠れ層、出力層といった層が組み合わさって構成されています。各層のニューロンは、前の層からの出力に重みを掛けたものを入力として受け取り、その総和に対して活性化関数を適用することで、次の層へ出力する値を決定します。活性化関数は、ニューラルネットワークに非線形性をもたらすために不可欠です。

もし活性化関数が線形であれば、ニューラルネットワーク全体も線形になってしまい、複雑な問題を解決する能力が著しく低下します。非線形な活性化関数を用いることで、ニューラルネットワークは複雑なデータパターンを学習し、高度な予測や分類が可能になります。例えば、画像認識や自然言語処理といった分野で、活性化関数は重要な役割を果たしています。

活性化関数にはさまざまな種類があり、それぞれ異なる特徴をもっています。代表的な活性化関数としては、シグモイド関数、ReLU(Rectified Linear Unit)関数、tanh(双曲線正接)関数などがあります。シグモイド関数は、出力を0から1の範囲に収めるため、確率的な解釈がしやすいという特徴があります。ReLU関数は、計算が簡単で学習がはやいという利点がありますが、入力が負の値の場合に勾配が消失してしまうという問題点も抱えています。tanh関数は、出力を-1から1の範囲に収めるため、シグモイド関数よりも勾配消失の問題が軽減されるという特徴があります。

活性化関数を選ぶ際には、解決したい問題やニューラルネットワークの構造、学習データの特徴などを考慮する必要があります。例えば、出力が確率である必要がある場合には、シグモイド関数が適しています。また、深いニューラルネットワークを学習する場合には、ReLU関数やその改良版であるLeaky ReLU関数などがよく用いられます。

近年では、より高度な活性化関数も開発されており、それらを適切に選択することで、ニューラルネットワークの性能をさらに向上させることが可能です。ニューラルネットワークの性能を最大限に引き出すためには、活性化関数の選択だけでなく、その特性を理解し、適切に活用することが重要です。

 

監修

株式会社SHIFT「ヒンシツ大学」クオリティ エヴァンジェリスト
林 栄一

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