顧客から支持されるサービス/プロダクトをつくるためには

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顧客から支持されるサービス/プロダクトをつくるためには

野口 夏樹
株式会社SHIFT
サービス&テクノロジー本部 カスタマーサクセス部
カスタマーエクスペリエンスグループ
UXコンサルタント
野口 夏樹

お役立ち資料

Introduction

価値観が多様化する現代において、顧客インサイトをつかむことは容易ではありません。ビジネス環境のスピードはますますはやくなり、新しいプロダクトがあっという間に陳腐化してしまうことも珍しくはありません。ユーザーの心をつかみ、支持しつづけてもらうにはどうすればよいか頭を抱えているマーケター・開発者の方も多いのではないでしょうか。

ユーザー視点のプロダクトを開発するためには顧客の状況や行動を正しく理解することが第一歩となります。本コラムでは、顧客を理解するためのUXリサーチからプロダクト開発に落とし込むまでのアプローチについて解説したいと思います。

目次

良いUXリサーチを行うための心得

良いUXリサーチ

UXリサーチをはじめる前に、基本的な心得についてお話したいと思います。社会人経験が長くなると、どうしても過去の経験・知識からユーザーのことが分かった気になりがちです。「過去の経験では××」「きっと〇〇であるはずだ」という固定観念に縛られて客観的な視点で物事を捉えられなくなるのは、経験が豊富な人ほど多くなる印象です。

しかし、そのような状態ではUXリサーチにもバイアスがかかってしまい、適切な解決策を導き出せない可能性があります。「自分はユーザーについて何も分かっていない」という前提に立ち、謙虚な姿勢でユーザーを観察することが重要です。

時間をかけずに調べられる手段で初期仮説をつくる

UXリサーチに取り組む前に、初期仮説を立てましょう。ここでのポイントは仮説が正しいか正しくないかではなく、何が分からないのか(何を知りたいのか)今後の検証ポイントを明らかにすることです。そのため、手元にある情報・時間をかけずに調べられる情報で仮説をつくることが重要です。

インプットの情報としては、一般公開されている調査結果や文献、データ(会員データ、アクセスログなど)などが挙げられます。ターゲット像を明確にし、ペルソナやカスタマージャーニーに落とし込むようにしましょう。ユーザーが不満に思っていることやつまずくポイント(ペインポイント)を明らかにしておくと検証時に役立ちます。

定性調査でユーザーのコンテキストを理解する

初期仮説ができたら、デプスインタビューやユーザーテストで検証をしていきます。検証ポイントを踏まえて、ヒアリングや利用時の行動観察を行い、ユーザーの解像度を上げていきます。ここでは、ユーザーの発言や行動を鵜呑みにするのではなく「なぜそのような発言・行動に至ったのか」という深層心理に迫ることが重要です。人が言語化できていない部分にこそ本音が隠されているためです。

また、定性と定量どちらを先にやるのが良いかという質問をされることがありますが、どちらかひとつしか実行できないのであれば、定性調査をお勧めします。定量調査に比べるとユーザー心理を深く知ることができ解像度が一気に上がるためです。

コンセプトを策定しプロトタイプで施策を具現化する

ユーザー分析を踏まえて、コンセプト策定やプロタイプ制作を行います。コンセプト策定では、サービス/プロダクトのあるべき姿を言語化し、プロジェクト関係者全員が共通認識を持てるようにすることが重要です。

また、コンセプトが決まったら具体的施策(改善策)のアイデアを出しプロトタイプに落とし込みます。コンセプトとの整合性や課題を解決できる施策かどうかなど、さまざまな視点で最適な施策を盛り込むようにしましょう。

ユーザー検証で絵にかいた餅になっていないか受容性を検証する

ユーザー検証で

プロトタイプを作成した後は、ユーザーテストで検証を行うようにすることが重要です。ユーザーのペインポイントを解消できているか、満足度/ロイヤリティに寄与しているかなど、UX課題の発見に役立ちます。この仮説検証サイクルを繰り返すほどプロトタイプはブラッシュアップされUXが向上しますので、予めスケジュールに盛り込んでおくことをお勧めします。

また、ある程度ブラッシュアップできた段階で、定量的な検証を挟むことも重要です。例えば、アンケート調査ではデザインやコンテンツなどの評価をすることが可能です。しかし、操作を伴う調査には限界があるため、ほかの手法と組み合わせて調査するのがよいでしょう。部分的にA/Bテストを行い、リリース後の効果を疑似測定するということも考えられます。

作成中のプロダクトがどのくらいユーザーに受け入れられるのか(あるいは効果的なのか)を定量的に示すことができると、上層部とのコミュニケーションにも役立てることができます。

リリース後も改善サイクルを回しプロダクトの陳腐化を防ぐ

市場環境やユーザーの価値観は絶え間なく変化しています。近年では、そのスピードがますますはやくなっており、変化に適用できたプロダクトだけが生き残ることができます。リリース後も定期的に改善サイクルを回し、市場やユーザーの変化を取り入れていくことが重要です。アジリティの高いプロダクトであることは今後の必須条件と言えるでしょう。

 

いかがでしょうか。UXリサーチからUI開発、改善サイクル構築までユーザー視点でプロダクトをつくるには、UXからUI・開発まで幅広い知識がある専門家が欠かせません。SHIFTでは、少数精鋭の経験豊富なUXの専門家がユーザーに支持されるプロダクトづくりをご支援します。ぜひお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

野口 夏樹
株式会社SHIFT
サービス&テクノロジー本部 カスタマーサクセス部
カスタマーエクスペリエンスグループ
UXコンサルタント
野口 夏樹

印刷会社・CXコンサルティング企業などを経て2021年に起業。
通信、金融、飲料、精密機器、製薬、不動産、NGO/NPOなど幅広い業種・業界の企業・団体に対して、デジタルマーケティング・UI/UX等の支援を行う。調査・戦略設計などの上流工程だけでなく、制作品質まで踏み込んだプロジェクトマネジメントを得意とする。現在は株式会社SHIFTにて開発案件のUI/UX支援、ディレクションを担当。

ご支援業種

  • 省庁システム開発案件のUI/UX支援
  • コンサルティング企業向けデザインガイドライン支援

など多数

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