Introduction
対話型のAIチャットサービスといえば、OpenAI社の「ChatGPT」が有名ですが、ほかの種類のAIサービスも登場していることをご存じでしょうか?有名なものとしては、Google社の「Gemini」、Anthropic社の「Claude」があります。
ここでは、Claudeとはどのようなものなのか、Claudeが実現できることや強み、ChatGPTとの比較などについて解説します。
※2024年10月時点での情報に基づいて作成しています。
目次
Claude(クロード)とは?
Claudeは、自然言語による対話が可能なAIチャットモデルです。ここでは、Claudeとは何なのか、開発元のAnthropic社とはどのような企業なのかについて解説します。
Anthropic社によって構築された次世代AIアシスタント
Claude(クロード)とは、Anthropic(アンソロピック)社が開発し、2023年3月に公開したAIチャットモデルです。大規模言語モデル(LLM)のclaude.aiによって、自然言語での対話が可能です。
Anthropic社の『公式サイト』によると、以下のように定義されています。
Claude
Claude is a next generation AI assistant built by Anthropic and trained to be safe, accurate, and secure to help you do your best work.
(クロードは、Anthropic によって構築された次世代 AI アシスタントです。安全、正確、確実に作業できるように訓練されており、最高の仕事ができるように支援します。)
ChatGPTと同じように、質問に回答する、文章を生成する、長文を要約する、外国語を翻訳する、プログラミングコードを生成するなどが可能です。
「Claude」は登録すれば最新モデルの「Claude3.5 Sonnet」を無料で利用できます(利用制限あり、2024年10月時点)。
急成長を遂げ、世界から注目されているAnthropic社
Claudeの開発元のAnthropic社は、米国のスタートアップ企業です。2021年に、OpenAI社の元社員が立ちあげました。2024年3月には、マルチモーダルを搭載した最新モデル「Claude3」を発表しています。
Anthropic社が2年足らずで実績を伸ばし、世界に注目されるに至った背景には、大企業からの資金調達に成功しているということがあります。2023年には、Google、Salesforceなどの巨大企業から、4億5千万ドルもの資金調達を行いました。その後、アジア企業から約1億ドル、Amazon社から40億ドル、さらにGoogleから追加で20億ドルを調達、1年間で合計73億ドルもの資金を得ています。
このように、多くの巨大企業から投資を受けているAnthropic社は、世界からの注目度が高いことがわかります。
Claudeができること・活用方法
ここでは、Claudeで実現できること、ビジネスシーンでの活用方法について解説します。
質疑応答
質問を入力すると、自然な回答を得られます。適切な言葉を選び、まるで人間が回答したかのような自然な回答を返してくれます。ビジネスの場面では、問い合わせ対応のチャットボットや接客ロボットなどに活用できるでしょう。
文章の作成・要約
Claudeは、まるで人間が書いたかのような自然な文章の作成が可能です。従来のAI特有の機械的な文章だけではなく、人間の心情に配慮した表現が可能という特徴があります。
また、長文の要約も得意としています。Claudeは、対応するトークン数が最大20万トークンと多いため、膨大な量のデータもスムーズに処理が可能です。ビジネスのシーンでは、報告書や仕様書などの作成、また膨大な資料の理解などに活用できるでしょう。
プログラミングコードの生成
プログラミングコードの自動生成も可能です。コード生成にかかる時間が短縮されており、より効率的にプログラミング作業を行えるでしょう。Python、JavaScript、Java、PHP、Swiftなどの言語に対応しており、デバッグも可能です。
Claudeをシステム開発に導入すれば、プログラミング作業の効率化につながるでしょう。
アイデア出し
ビジネスで新しい市場や分野に参入する際や、新商品を開発する際などに、その分野について質問して、新しいアイデアを得るという使い方も考えられます。自社にノウハウがない場合も、新しい発想を得るために活用できるでしょう。
チャットボットの構築
企業サイトの問い合わせチャットボットなどを構築する際に、役立てることも可能です。Claudeは、人間が対応しているような自然なコミュニケーションができるため、チャットボットのような対話が必要な場面で活躍します。
資料やマニュアルの作成
ビジネスシーンでは、取引先への企画書やプレゼン資料、作業マニュアルなどを作成する機会が数多く存在します。Claudeに紹介したい企画の詳細と、資料作成の指示を入力することで、プレゼン資料に記載する内容を出力してくれます。このような機能を活用すれば、資料作成の効率化も可能です。
データ分析
Claudeは大量のデータを読み込み、正確に把握する能力が高く、ビッグデータの収集、分析などが得意です。ビジネスシーンでは、たとえば顧客データや行動履歴データ、販売データなどを分析して、売れ筋商品を分析するなどの活用方法があります。
Claudeの強み
Claudeには、自然な文章を生成できる、膨大なデータを扱えるなど、ほかのAIにはない強みがあります。ここでは、Claude独自の強みについて解説します。
高品質なAIモデルを低コストで利用できる
Claudeは、人間らしい自然な文章を生成できる、一度に扱えるデータ量が多く処理速度がはやいなど、非常に高性能です。このように、高品質なAIモデルを月額20ドルで利用できるのは、非常に大きなメリットといえるでしょう(2024年10月時点)。
膨大なデータを一度に処理できる
コンテキストウィンドウの容量(一度に処理できるトークン数)は、Claude3.5(Sonnet)が20万トークン、GPT-4oが12万8,000トークンと、Claudeの方が高性能です。そのため、大容量の論文や資料などを扱いたい場合は、Claudeの方が適しているでしょう。
回答の信頼性・精度・鮮度・安全性が高い
AIが誤情報を出力する現象「ハルシネーション」が、Claude2.1では前モデルの半分程度に抑えられており、信頼性が高まっています。また、情報の精度も向上しており、AI自身が知らないこと、確信をもてないことについては「わかりません」と回答することも可能です。また、Claude3.5(Sonnet)の学習内容は、2024年4月までと新しくなっています。
さらに、Claudeには「Constitutional AI」と呼ばれる、安全性を高めるルールが採用されています。自由や平等を意識する、生命や自由の安全を指示するなどのルールに基づいて、判断するのが特徴です。そのため、無害で安全性が高く、SNSに投稿する文章などに利用しやすいのも強みといえます。
外部ツールとAPI連携できる
ClaudeのAPIを活用することで、外部ツールにClaudeの機能を組み込むことも可能です。外部ツールとAPI連携することで、特定のデータベース内の情報を使った回答の生成、外部サービスを活用した高度な使い方などができます。
Artifactsでさらにコンテンツ生成がしやすくなった
新たにArtifacts機能が追加されたことで、Claudeとのチャット履歴とは別に、記事、ドキュメント、図表などを管理・共有できるようになりました。この機能により、それぞれのコンテンツの管理やチーム内での共有などがしやすくなっています。
ClaudeとGPTを比較
ClaudeとGPTを比較した表は、以下のとおりです。
|
Claude3.5(Sonnet) | GPT-4o |
料金 | 無料プラン、有料プラン(月額20ドル) | 無料プラン、有料プラン(月額20ドル) |
特徴 | 一度に大量のデータを処理できる | 汎用性が高い 画像生成が可能 |
コンテキストウィンドウの容量 | 20万トークン | 12万8,000トークン |
データの鮮度 | 2024年4月までのデータ | 2023年10月までのデータ |
アクセス方法 | ブラウザ、外部ツール | ブラウザ、外部ツール |
プラグインの有無 | なし | あり |
対応言語 | 英語、日本語、スペイン語、フランス語 | 95ヶ国 |
※2024年10月時点
両者を比較する際に着目したいのが、対応できる容量です。Claude3.5のコンテキストウィンドウは20万トークンであるのに対し、GPT-4oは12万8,000トークンとなっています。また、Claudeでは、複数のファイルをアップロードすることが可能ですが、GPTではプラグインを使用する必要があります。
このように、GPT よりもClaudeの方が優れている点が多く、ClaudeはGPTを超えたともいわれています。
ChatGPTについてはこちらもご覧ください。
>>ChatGPTとは?GPT-4oができること、メリット・注意点をわかりやすく解説のページへ
>>GPT-4oとは?GPT-4から進化した点、機能別のアップデート内容を解説のページへ
Claudeは無料で使える?モデル別の料金・機能について
Claudeのプランは、以下のとおりです。
|
Free | Pro | Team | Enterprise |
ユーザー | 個人向け | 個人向け | 企業向け (5名以上のチームから契約可能) | 大企業向け |
月額料金 | 無料 | 18ドル | 25ドル/ユーザー | 個別に対応 |
利用できる機能や制限内容 | ・基本的な機能 | ・Freeプランよりも多くの使用量 ・ドキュメントやチャットを整理するためのプロジェクトへのアクセス ・Claude 3.5 Sonnet や Claude 3 Opus など、より多くのモデルを使用できる ・新機能への早期アクセス など | ・Proプランよりも高い利用頻度 ・一元的な請求と管理 コラボレーション機能への早期アクセス など | ・Teamプランよりも高い利用頻度 ・シングルサインオン機能 ・高度な権限付与機能 ・監査ログ など |
※2024年10月時点
また、Claude3とClaude3.5では以下のようなモデルが存在します。
【Claude3.5】
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Sonnet | Haiku |
特徴 | もっとも知的なモデル | 最速のモデル |
料金(100万トークンあたり) | 入力3ドル・出力15ドル | 入力1ドル・出力5ドル |
※2024年10月時点
【Claude3】
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Opus | Sonnet | Haiku |
特徴 | 最高レベルの知能、対応力 | バランスがよく柔軟な対応 | スピードがはやく手軽に利用可能 |
料金(100万トークンあたり) | 入力15ドル・出力75ドル | 入力3ドル・出力15ドル | 入力0.25ドル・出力1.25ドル |
※2024年10月時点
Claudeのデメリット・今後の課題
Claudeは、処理速度のはやさや対応できるデータ容量の多さなどで、ChatGPTを超えたともいわれていますが、その反面デメリットや課題も存在します。
高度な生成AIに見られる、結果が事実とは異なる「ハルシネーション」と呼ばれる現象が起こる可能性は十分あります。また、プロンプトや対話した内容が漏えいするセキュリティの問題、著作権や商標の侵害の問題なども残っています。
Claudeを活用する際は、このような課題が存在することを理解し、対処していく必要があるでしょう。
まとめ
この記事では、Claudeとはどのようなものなのか、Claudeが実現できることや強み、ChatGPTとの比較などについて解説しました。Claudeを上手に活用できれば、ChatGPTを使うよりも、よい結果を生み出せるかもしれません。しかし、Claudeを使いこなすためには、ClaudeやAIの仕様、使い方などについて理解する必要があります。
ビジネスにClaudeを活用したい場合は、SHIFT のAIに関する豊富な専門知識をお役立てください。
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「性能のよいAIサービスはないものか…」「Claudeについて詳しく知っている人材がいない…」などの悩みを抱えている企業は多いでしょう。
Claudeは、ChatGPTを超えるAIサービスともいわれています。うまく活用できれば、大幅な業務効率の改善や新しいビジネスの創出などを実現できるかもしれません。しかし、Claude に詳しい社員がいない、導入しても現場が混乱する可能性が高いなどのケースも多いかもしれません。AIをビジネスに活用するためには、AIに関する知識や経験が必要です。
そこで、SHIFTのDXサービス開発をご利用いただくことで、AIの活用の課題を解決いたします。AIに関する豊富な知見や多種多様な業界ノウハウを活かし、お客様の業務やお悩みに対する最適なご提案をいたします。
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