Introduction
ChatGPTといえば、まるで人間と会話しているかのようなやりとりができる、AIチャットツールです。2022年11月に登場すると世界中に爆発的に広まり、注目を集めました。
そのChatGPTがベースとしているのが、大規模な言語データを事前に学習した言語モデルのGPT-3.5です。GPTは進化をつづけ、2024年5月にGPT-4oがリリースされました。
ここでは、GPT-4oとはどのような言語モデルなのか、GPT-4からどのように進化したのかなどについて解説します。
※2024年11月7日時点の情報に基づいて制作しています。
目次
GPT-4oとは?
GPT-4oは、OpenAI社が2024年5月にリリースした生成AIモデルです。ここでは、GPT-4oとはどのようなモデルなのか、過去のバージョンとの比較などについて解説します。
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OpenAI社が提供する AI言語モデル「GPT」の最新バージョン
GPT-4oとは、OpenAI社が提供するAI言語モデル「GPT」のバージョンで、2024年5月にリリースされました。前バージョンのGPT-3.5とGPT-4よりも処理速度や翻訳性能が向上し、テキスト、音声、画像、動画を同時に処理できるようになっています。
GPTのこれまでの進化の道のりは、以下のとおりです。
・2018~2019年:GPT、GPT-2が登場
・2020年:GPT-3が登場
・2022年11月:GPT-3.5が登場、ChatGPTがリリースされて世界中の注目を集める
・2023年3月:GPT-4が登場
・2024年5月:GPT-4oが登場
※2024年11月7日時点
GPTの機能をバージョン別に比較
GPT-4oは、過去のバージョンと比較して、どのような進化を遂げているのでしょうか?ここでは、GPT-3.5からGPT-4oまでの機能を比較してみました。
【GPTバージョンごとの機能比較】
|
GPT-3.5 |
GPT-4 |
GPT-4o |
|
特徴 |
高速で低コスト、コスト効率がよく短いタスクに最適 |
大規模データを扱う、高度な理解が可能、高性能だがコストが高い |
ベンチマークで高評価、コスト効率がよい |
|
得意分野 |
コスト重視、短いタスクが得意 |
複雑なタスクが得意 |
コストパフォーマンスを重視する |
|
モデルサイズ |
約1,750億パラメータ |
非公開だがGPT-3.5より大規模 |
非公開だがGPT-3.5より大規模 |
|
コンテキストウィンドウ* |
入力 |
16,000トークン |
最大128,000トークン |
最大128,000トークン |
出力 |
4,000トークン |
8,000トークン |
2,000トークン |
|
マルチモーダル機能 |
ー |
テキスト、画像に対応 |
テキスト、画像、音声、動画に対応 |
|
コスト効率 |
入力トークンあたりの費用 |
0.50ドル/1M |
10.00ドル/1M |
5.00ドル/1M |
出力トークンあたりの費用 |
1.50ドル/1M |
30.00ドル/1M |
15.00ドル/1M |
*コンテキストウィンドウとは、AIが一度に処理できる情報量のこと。
※2024年11月7日時点の情報に基づきます
マルチモーダル機能とは、テキストだけでなく、画像や音声、動画など複数の形式のデータを同時に処理できる能力のことです。GPT-4oでは、テキスト、画像、音声、動画に対応できるようになりました。
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GPT-4oはGPT-4からどのように進化した?
ここでは、GPT-4oはGPT-4からどのように進化したのかを具体的にご説明します。
テキスト、音声、画像などを組み合わせて処理できるようになった
GPT-4oは、複数の形式のデータを同時に処理できるようになりました。このような機能は、マルチモーダル機能と呼ばれています。
GPT-4では、テキスト、画像を扱うことが可能でしたが、GPT-4oではそれに加えて、音声や動画も含む完全なマルチモーダル機能を実現しています。
人間の会話とほぼ同じ応答時間になった
GPT-4oの応答時間の平均は320ミリ秒で、人間の会話速度に近い速度です。これにより、スムーズな受け答えが可能になりました。一方、GPT-4は処理速度よりも、大規模データの処理、より高度な理解を得意としているモデルです。
コスト効率が大幅に向上した
上記の『GPTの機能をバージョン別に比較』の表でもご説明したとおり、GPT-4oはGPT-4と比べると、コスト効率が向上しています。
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GPT-4 |
GPT-4o |
|
特徴 |
大規模データを扱う、高度な理解が可能、高性能だがコストが高い |
ベンチマークで高評価、コスト効率がよい |
|
コスト効率 |
入力トークンあたりの費用 |
10.00ドル/1M |
5.00ドル/1M |
出力トークンあたりの費用 |
30.00ドル/1M |
15.00ドル/1M |
※2024年11月7日時点の情報に基づきます
GPT-4は高性能なモデルですが、そのぶんのコストが高くなっています。一方、GPT-4oはマルチモーダル機能を搭載し、高度な知識理解が可能と、高性能ながらコストパフォーマンスに優れていることがわかります。
機能別にGPT-4o のアップデート内容を解説!
ここでは、GPT-4oに追加された新機能について解説します。
音声認識・音声会話機能
GPT-4oでは、音声モードに以下のような新機能が追加されています。
入力された音声のトーンを認識することで、複数の話者の区別が可能になり、背景の騒音も認識できます。そのため、複数人の会話や野外での会話など、複雑な環境でも正確な音声処理が可能になりました。
また、音声を読みあげる際は、笑い声、歌声のような感情の表現を含めた、多彩な音声の表現を実現しています。
画像生成機能
GPTをベースにした画像生成AI「DALL-E 3」や「Stable Diffusion」において、一人のキャラクターを一貫して生成することは大きな課題でした。GPT-4oのアップデートにより、この問題が改善され、同一キャラクターを一貫して描画することが可能になっています。
そのほか、画像上でのテキスト表現、複数の画像の合成、3Dアニメーション生成などの機能が改善されました。
データ分析機能
GPT-4oの有料プランを選択することで、AzureやGoogle Driveのファイルと連携することが可能です。これにより、Google スプレッドシードやドキュメントなどのファイルを用いて、直接データ分析や資料作成ができます。
GPT-4oの利用方法
ここでは、GPT-4oの料金やはじめ方、使い方について解説します。
GPT-4oの料金
GPT-4oの料金は、リクエスト数やデータの処理量にもとづき、以下のように設定されています。
・入力トークン1Mあたり5.00ドル
・出力トークン1Mあたり15.00ドル
※2024年11月7日時点の情報に基づきます
無料版と有料版は、以下のように利用できるサービスのレベルが異なります。
|
無料ユーザー |
有料ユーザー |
利用可能なモデル |
GPT-3.5、GPT-4o |
GPT-3.5、GPT-4、GPT-4o |
利用回数制限 |
5時間あたり10回 |
3時間あたり80回 |
回答文字数制限 |
約2,048文字 |
約25,000文字 |
回答のスピード |
混雑時には遅くなる |
優先的に処理される |
画像生成機能 |
なし |
あり |
※2024年11月7日時点の情報に基づきます
GPT-4oのはじめ方 ・使い方
GPT-4oの有料プランのはじめ方は、以下のとおりです。
1.chatgpt.comにアクセスする
2.アカウント作成を行い、有料プランにアップグレードする
3.ページ上部のプルダウンメニューから「GPT-4o」を選択する
なお、無料プランはchatgpt.comにアクセスすれば、利用できます。入力フィールドに質問や指示を入力することで、利用可能です。
まとめ
この記事では、GPT-4oとはどのような言語モデルなのか、GPT-4からどのように進化したのかなどについて解説しました。GPT-4oは、2024年5月にリリースされたGPTの最新バージョン(2024年11月7日時点)で、マルチモーダル機能の実装や処理速度の高速化などを実現しています。
GPTをはじめとしたAI技術は進化をつづけており、ビジネスに活用するためには、最新の技術について理解を深めていく必要があるでしょう。最新のAI技術を活用するためには、専門的な知識や経験が必要です。その際には、SHIFT のAIに関する豊富な専門知識をお役立てください。
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