GPT-4o APIとは?できることや料金、使い方、注意点をわかりやすく解説

  • DX
GPT-4o APIとは?できることや料金、使い方、注意点をわかりやすく解説
株式会社SHIFT マーケティンググループ
著者 株式会社SHIFT マーケティンググループ

Introduction

質問を入力すると、まるで人間が答えたかのような回答を返してくれるChatGPTサービスは、近年さまざまな場面で活躍しています。このChatGPTには「GPT-4o API」というサービスがあるのをご存じでしょうか?

GPT-4o APIの活用により、ブラウザからChatGPTを利用するだけではなく、自社で開発したシステムなどと連携して、ChatGPTを利用できます。そして、ChatGPT の機能を組み込んだ自動応答システムの開発や、プログラミングコードの作成などが可能です。

この記事では、GPT-4o APIについて、実現できることや料金体系、使い方、利用時の注意点などを解説します。

目次

GPT-4o APIとは?

GPT-4o APIとは

GPT-4o APIとは、ChatGPTを自社で開発したシステムや、アプリケーションなどから連携できる仕組みのことです。

ここでは、GPT-4o APIとはどのようなものなのか、そもそもAPIとは何かから解説します。

OpenAI社のAIモデル「ChatGPT」を外部ツールで利用するための仕組み

GPT-4o APIとは、OpenAI社が開発した自然言語処理モデルのChatGPTを、外部のシステムから利用できる仕組みのことです。ブラウザからChatGPTに質問して回答を得るだけではなく、アプリケーションやシステムをChatGPTと連携させることで、ChatGPTの機能を活用したサービスを提供できます。

ここでは、GPT-4o APIについて詳しくご説明する前に、そもそもAPIとは何かからご説明します。

APIとは「Application Programming Interface」のことで、アプリケーションやソフトウェアなどをつなぐインターフェースのことです。

「インターフェース」という言葉には「境界面」や「接点」という意味があります。たとえば、パソコンのキーボード、マウス、ディスプレイは、ユーザーとコンピューターをつなぐ「ユーザーインターフェース」です。また、ハードウェア同士をつなぐUSBやHDMIなどのコネクターは「ハードウェアインターフェース」と呼ばれます。

そして、API(アプリケーションインターフェース)は、アプリケーションやソフトウェア、プログラムなどをつなぐインターフェースです。たとえば、Google MAP APIを使えば、Google MAPと企業のホームページを連携させて、企業の所在地をGoogle MAP上で表示させることが可能です。

つまり、GPT-4o APIは、ChatGPTとアプリケーションやプログラムなどをつなぐインターフェースになります。GPT-4o APIと連携させることで、利用者が開発したアプリケーションやプログラムに、ChatGPTの機能を組み込むことが可能です。

たとえば、メールマガジンを自動送信するプログラムをChatGPTと連携させることで、メールの文面をChatGPTで作成できるなどの使い方があります。

GPT-4o APIでできること

GPT-4o APIを活用すると、ChatGPTの自然言語処理機能を活かして、さまざまなアプリケーションやシステムを開発することが可能です。

ここでは、GPT-4o APIによって実現できることについてご説明します。

文章の作成・要約・添削

ChatGPTには、与えられたプロンプトをもとにして、テキストを生成する機能があります。また、文章の表現方法や話し方などを指定した文章の作成や、文章の要約、添削なども可能です。

文章の作成・要約・添削機能を活用したアプリケーションを開発すれば、ビジネスに役立つでしょう。たとえば、ターゲットとなる顧客にあわせた商品説明文や広告文、メールの文言の作成などが可能です。また、仕様書や報告書の作成など、定型的な文章を作成する際にも役に立ちます。

このように、GPT-4o APIを活用することで、業務効率の向上が期待できます。

音声からの文字起こし

GPT-4o APIでは、音声認識モデルであるWhisperを提供しており、さまざまな言語の音声認識が可能です。多言語に対応しており、使用時に言語を指定しなくても、どの国の言語かを自動認識してくれるため、使い勝手がよいでしょう。

音声の文字起こし機能を活用すれば、会議や講演会などの音声の文字起こし、議事録の作成などに活用できます

Whisperについてはこちらもご覧ください。
>>Whisperとは?メリットや使い方、料金、注意点をわかりやすく解説のページへ

翻訳

ChatGPTは多言語に対応しており、翻訳を行うことも可能です。そのため、外国語の文献の翻訳、グローバルなコミュニケーションなどに活用できます。

ChatGPTの学習に使われたデータは多言語データで、そのほとんどが英語のため、とくに英語の表現を得意としています。

データの分析と意思決定支援

GPT-4o APIを活用することで、膨大なデータから、必要な情報の抽出や要約を行うことが可能です。膨大なデータを分析することで、市場調査や競合分析なども行えます。これにより得られたデータを活用すれば、市場の動向や顧客のニーズをいちはやくつかめるため、適切な意思決定を下す助けになるでしょう。

このように、GPT-4o APIを活用することで、適切な経営戦略の立案につなげることも可能です。

プログラミングコードの作成

ChatGPTには、プログラミングコードの自動生成機能も備わっており、Python、JavaScript、C#などの言語に対応可能です。この機能を活用することで、開発者は単純なプログラミング作業ではなく、創造的なタスクや重要な意思決定を伴う役割に、集中できるようになります。さらに、プログラミング時の設計やテストを行う際のアドバイスをもらったり、既存のプログラムの内容の説明を受けたりすることも可能です。

このように、プログラミング作業そのものを対応させることや、作業のサポートを受けることなども可能なため、開発作業の効率化や品質の向上に役立つでしょう。

自動応答チャットボットの開発

ChatGPTには、質問に自動で答える自動応答機能が備わっています。GPT-4o APIを活用することで、ChatGPTの自動応答機能を組み込んだ、自動応答チャットボットを開発することも可能です。

たとえば、商品紹介サイトやECサイトなどに、顧客からの問い合わせに対して自動応答するチャットボットを開発できます。商品知識や仕様などの情報をもとに、顧客からの商品やサービスに関する質問に対して、適切に回答することが可能です。

このような自動応答チャットボットを開発できれば、問い合わせ窓口に常駐していた、カスタマーサポートスタッフの業務負担を減らせるでしょう。

GPT-4o APIの料金

GPT-4o APIの料金体系についてご説明します。ここでは、2024年12月時点で新しいモデルのGPT-4oと、GPT-4oの軽量モデルであるGPT-4o miniの具体的な料金プランをみていきましょう。

以下のとおり、入力トークンまたは出力トークンの量 に応じて、料金が変わります。

【GPT-4o APIとGPT-4o miniの料金体系】

 

GPT-4o

GPT-4o mini

100万入力トークンあたりの料金

2.5ドル

0.15ドル

キャッシュされた入力トークンの場合

1.25ドル

0.075ドル

Batch API使用時

1.25ドル

0.075ドル

100万出力トークンあたりの料金

10ドル

0.6ドル

Batch API使用時

5ドル

0.3ドル

※2024年12月時点

GPT-4o APIのはじめ方・使い方

GPT-4o APIのはじめ方・使い方

ここでは、GPT-4o API のはじめ方と使い方について、ご説明します。

1.OpenAIの公式サイトにアクセスする
OpenAIの公式サイトにアクセスし、「Sign UP」ボタンからOpenAIアカウント登録を行います。流れに従ってメールアドレスや氏名、電話番号などを入力してください。

2.APIキーを取得する
画面右上の「Dashboard」を選択後、左側のメニューの最下部「API Keys」を選択し、画面下部の「Create new secret key」を選びます。詳細な設定を行う場合には、設定を選んでください。右下の「Create new secret key」を選択すると、英数字の文字列が表示されます。この文字列がAPIキーなので、保管しておきます。

今後はこのAPIキーを使って認証を行うため、決して外部に漏れないよう厳重に管理しましょう。

3.クレジットカード情報の登録を行う
画面右下のネジのアイコン(設定メニュー)を選び、左側メニューの「Billing」から、中央の緑色の「Add Payment details」を選びます。クレジットカード情報や住所などの必要な情報を入力し、クレジットカード情報を登録します。

ここまでの流れが完了すれば、準備は完了です。

4.APIを呼び出す
上記で払い出されたAPIキーを用いて、コードを入力してAPIを呼び出します。

GPT-4o APIを利用する際の注意点

ここでは、GPT-4o APIを利用する際の注意点について解説します。

日本語は消費するトークン量が多く、料金があがりやすい

上記でご説明したGPT-4o API料金体系からもわかるとおり、入力トークンや出力トークンの量で料金が決まります。そのため、消費トークンの量をおさえないと、料金が上がってしまいます。

とくに、日本語は消費するトークンの量が多いため、注意が必要です。そのため、英語でやりとりする、必要な場合に絞って利用するなど、消費するトークンを節約する工夫が必要です。 だいたい、平均すると日本語は1文字あたり0.7トークン、英語は4文字あたり1トークンを消費します。(実測値)

事実と異なる内容が出力される場合がある

AIは、事実に基づかない情報を生成する「ハルシネーション(幻覚)」と呼ばれる現象を起こすことがあります。ChatGPTも例外ではなく、生成された内容が誤っている可能性もあるため、生成された内容を人間が確認するなどの対策が必要です。

ハルシネーションについてはこちらもご覧ください。
>>ハルシネーションとは?発生する原因や改善方法、トラブル防止のための対策を解説のページへ

社外秘の情報や個人情報を入力しないように注意する

ChatGPTに入力された情報は学習に使用されるため、ほかのユーザーが生成した結果に反映されてしまう可能性もあります。ChatGPTを介して情報が外部に漏えいすることを防ぐため、社外秘の情報や個人情報を入力しない業務フローや、作業手順を確立することが重要です。

まとめ

この記事では、GPT-4o APIについて、実現できることや料金体系、使い方、利用時の注意点などを解説しました。GPT-4o APIの活用により、自社で開発したアプリケーションやソフトウェアなどに、ChatGPTの機能を組み込むことが可能です。

GPT-4o APIを活用してビジネスに役立てたい、業務効率化に活用したいなどの場合には、SHIFTのDXサービス開発をご活用ください。それぞれのニーズやシステム環境にあった対応を行い、お客様のDX推進を強力にサポートいたします。

ご相談はこちらから。
>>お問い合わせ
>>料金について

補足情報(2025年2月)

OpenAIは、AIモデルの製品ラインを簡素化するため、最新の「o3」モデルを単独でリリースせず、他の技術と統合した包括的な「GPT-5」モデルとして提供する計画を発表しました。

この決定は、2024年12月に発表された「o3」および「o3 mini」モデルに続くものであり、AI製品をよりシンプルで効率的にすることを目的としています。

さらに、OpenAIは「GPT-4.5」モデル(内部では「Orion」と呼ばれる)をリリースする予定です。これは、直接的な回答を生成する従来の手法から、複雑な推論タスクに対応するための新しいアプローチへの移行を示しています。

これらの取り組みは、ユーザーにとってAIの利用をより直感的で効果的なものにすることを目指しています。OpenAIのCEOであるサム・アルトマン氏は、「AIがユーザーにとって『ただ動作する』ものとなるよう、製品提供を簡素化する必要がある」と述べています。

AIを活用したDXサービス開発なら、SHIFTにご相談を!

「GPT-4o APIを利用して、ChatGPTを自社のシステムに活用したい」「GPT-4o APIのノウハウがなく、対応できる人材がいない」「自社のシステムをどのように改善すれば、AIをビジネスに活かせるのかわからない」などの悩みをもつ企業様も多いでしょう。

そのような場合には、この記事でご紹介したGPT-4o APIを活用することで、ChatGPTの生成AIサービスを、企業内のシステムやアプリケーションに組み込むことが可能です。AIをビジネスに活用できれば、業務の効率化やコストの削減などのメリットを得られるでしょう。

しかし、そのためには、GPT-4o APIを活用するノウハウや、AIに関する知識や技術なども必要です。また、AIは新しい仕組みのため、セキュリティ面や倫理面での問題にも対処しなければなりません。ChatGPTに入力した社外秘や個人情報が、外部に流出するなどの情報漏えいを防ぐ対策も必要です。

SHIFTのDXサービス開発をご活用いただくことで、お客様の課題を解決いたします。SHIFTは、DX支援に豊富な実績があります。独自のノウハウでお客様に最適なソリューションをご提案します。

ご相談はこちらから。
>>お問い合わせ
>>料金について

林 栄一

 

監修

株式会社SHIFT
「ヒンシツ大学」クオリティ エヴァンジェリスト
林 栄一

組織活性化や人材開発において豊富な経験を持つ専門家として、人材と組織開発のリーダーを務め、その後、生成AIを中心にスキルを再構築し、現在新人研修プログラムや生成AI講座開発を担当している。2008年にスクラムマスター資格を取得し、コミュニティーを通じてアジャイルの普及に貢献。勉強会やカンファレンス、最近では生成AI関連のイベントに多数登壇している。チームワークの価値を重んじ、社会にチームでの喜びを広める使命をもつ。

――――――――――
ヒンシツ大学とは、ソフトウェアの品質保証サービスを主力事業とする株式会社SHIFTが展開する教育専門機関です。
SHIFTが事業運営において培ったノウハウを言語化・体系化し、講座として提供しており、品質に対する意識の向上、さらには実践的な方法論の習得など、講座を通して、お客様の品質課題の解決を支援しています。
https://service.shiftinc.jp/softwaretest/hinshitsu-univ/
https://www.hinshitsu-univ.jp/
――――――――――

この記事を書いた人

株式会社SHIFT マーケティンググループ
著者 株式会社SHIFT マーケティンググループ

SHIFTは「売れるサービスづくり」を得意とし、お客様の事業成長を全力で支援します。無駄のないスマートな社会の実現に向けて、ITの総合ソリューションを提供する会社です。

サービスサイト:https://service.shiftinc.jp/
コーポレートサイト:https://www.shiftinc.jp/
X(旧Twitter):https://twitter.com/SHIFT_cp

ご支援業種

  • 製造、金融(銀行・証券・保険・決済)、情報・通信・メディア、流通・EC・運輸、ゲーム・エンターテイメント

など多数

Top