コラム

  • 2021.03.10
  • UX
  • #UX
  • #エキスパートレビュー

SHIFT流。UXエキスパートレビューを解説!

最近ではUXへの意識・関心が高まってきていることや、コロナ禍でさらにWeb上での顧客接点の機会が増加してきている影響もあるためか、さまざまな企業様からUXのご相談をいただきます。

そのなかでもよく耳にするのは、「アクセス分析などを利用して課題となるページは理解できているが、具体的にページ内のどこが問題なのかわからない」「社内の人間だとサービスや内容に精通しているため、本当に利用者目線で取り組めているか第三者目線から確認したい」などのご相談です。

この課題を解決する方法の1つとして、UX専門家が評価を行うエキスパートレビューが有効ですが、昨今の急激なUX人材の需要に対応が追いついていない状況が見受けられるのが現状です。

そこで今回は、SHIFTのUXサービスのなかでも特にご依頼の多い、UXエキスパートレビューについて解説・ご紹介させていただきます。

エキスパートレビューとは?

エキスパートレビューのイメージ画像

その名の通り、“エキスパート”である専門家が利用者の立場に立ち、サービスのわかりやすさや使いやすさ、体験について“レビュー(評価)”を行う手法です。

サービスのわかりやすさや使いやすさを評価する方法として、サービス利用者に近い一般的な利用者の方を集め、実際にサービスを利用してもらうことで問題点や改善点を発見するユーザーテストといった手法もありますが、エキスパートレビューの特徴としては、公開されているサービスに対する評価だけではなく仕様書作成やレビューの段階、画面設計の段階、リリース前のチェック段階などさまざまな場面において専門家の知識や経験を活用することで、効率的にUX評価が実施できるということです。

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SHIFTの UXエキスパートレビューの特徴

エキスパートレビューは一見、非常に効果的な手法に感じますが、注意が必要な点もあります。
それはUX専門家によって、評価の基準や指標が感覚的なところに陥り、明確化されない可能性があるということです。

例えば、チェーン店の料理や商品をプロの料理人が判定するテレビ番組では、プロの料理人が合格・不合格で評価を行っています。
ここで気になるのはなぜ合格となったのか、不合格となった理由はどこにあったのかということです。ただ単に「おいしかったから」「おいしくなかったから」という理由では評価される側も、視聴者の私たちも納得がいかないはずです。

実際に番組内では合格・不合格を上げているプロの料理人の方々が、商品や料理のどこがよかったのか、どこが悪かったのかという指標や理由を明確に伝えているため、評価結果を元に開発者は今後の改善活動の方向性を決めることができるようになり、見ている私たちも結果の内容に納得するのです。

UXエキスパートレビューも同様に、専門家が良し悪しを感覚的に判断するだけではなく、指標や根拠を明確にすることで、後のUX品質改善や納得感に繋げることができるようになります。

このような点も踏まえたうえで、SHIFTのUXエキスパートレビューでは
①SHIFT独自のUX品質ガイドラインの活用
②ペルソナ・シナリオ手法
以上の2つの手法を組み合わせることでUX品質改善のサポートをしています。

SHIFT独自のUX品質ガイドライン

SHIFT独自のUX品質ガイドラインのイメージ画像

元々ソフトウェアテストを得意としていたSHIFTでは、90万件(2021年2月時点)を超える膨大な数のテストデータを保有しています。そのデータから抽出した観点、公開されている文献やガイドラインも踏まえて、人間中心設計の専門家と共同でSHIFTオリジナルのUX品質ガイドラインを開発しました。

このUX品質ガイドラインを活用することで、感覚的なところに陥りがちな評価の指標や理由を明確化し、品質保証エキスパートによる第3者検証として無駄なく、漏れなく、担当者によるばらつきのない評価を実現しています。

ペルソナ・シナリオ手法

ペルソナ・シナリオ手法

元々ペルソナ・シナリオ手法は、新しいサービスやシステムを開発するために、仮想となる利用者であるペルソナを作成し、そのペルソナがどのように利用するのか定義した仮説のシナリオを作成するUX手法です。

SHIFTでは、エキスパートレビューでの評価のプロセスにもペルソナ・シナリオ手法を用います。評価を実施するにあたってサービス利用者の情報を明確につくりこんだペルソナ像を準備し、そのペルソナがどのような目的やきっかけを元にサービスを利用するかのシナリオを定義します。
この定義をしておかないと、サービスの利用者や利用文脈について評価者ごとにイメージや認識が異なってしまい、評価のばらつきがでる原因となってしまいます。

SHIFTでは具体的な利用者や利用文脈を事前に定義し、評価に関わる全員が同じ共通認識をもったうえで評価を実施しているため、統一された利用者視点から課題を抽出することができます。

以上のように、ペルソナ・シナリオによって徹底的な利用者目線を実現しながら、SHIFT独自のUX品質ガイドラインを利用し、第三者検証としてUX品質担保することができるのがSHIFTのUXエキスパートレビューの大きな特徴といえます。

UXエキスパートレビューによる事例

①利用者の使いやすさを目指したい通販サイト

利用者を想定した特定のペルソナが、あるきっかけを元にサイトに訪問し、商品の選択~購入完了までを行うというシナリオで評価した事例です。

このサイトでは、UXエキスパートレビューによって下記のような課題を発見することができました。(一部抜粋)

課題-1:途中で他のことに気が逸れてしまう構造になっている
課題-2:商品の説明や詳細が不足している
課題-3:表記がまちまちで統一されていない
課題-4:購入へ高まった気持ちが冗長な購入導線で低下してしまう
課題-5:ペルソナがいま使っている商品との違いや、他の利用者の声などの情報が不足しており納得感が薄い

課題1〜3のようにわかりやすさや使いやすさといったUI観点からの課題はもちろんのこと、課題4〜5のようにペルソナがシナリオに則してサイトを利用するなかで、どのような気持ちの変化が起こるのか、どうすれば購入に至るまでの期待感や納得感をもってもらえるのかといった、利用時の体験や価値に影響する課題も抽出することが可能です。

②目的に合った利用の価値を知ってほしい情報サイト

情報サイトを利用するにあたって、複数のペルソナ像や利用シーンのシナリオを準備することで、それぞれのペルソナ視点からUXエキスパートレビューを行った事例です。

この評価では下記のような課題を発見することができました。(一部抜粋)

・共通課題
課題-1:サイトやページの全体像や利用方法が理解しにくい
課題-2:利用者が一目で理解できない用語が使われており、用語の説明もない
課題-3:行った操作に対するフィードバックがない

・価値向上に向けた個別課題
課題-4(ペルソナA視点):利用目的に合った最適なサービスに気づけない
課題-5(ペルソナB視点):どのようなメリットやポイントがあるのかイメージしにくい

課題1〜3については、各ペルソナ共通で発見できた課題になりますが、課題4〜5については、それぞれ異なる目的や利用文脈をもったペルソナの視点から評価を行ったからこそ抽出できた課題や示唆になります。

このようにSHIFT独自のUX品質ガイドラインと、ペルソナ・シナリオを活用することで、網羅的かつ、ばらつきのない徹底的な利用者視点でのUX改善をご提案することができます。

まとめ

今回はSHIFTが提供しているUXエキスパートレビューについてお話させていただきました。

このコラムではじめてサービスを知った方にも、現在サービスをご検討されている方にとってもご参考になれば幸いです。

また、SHIFTでは専門家の目線から行うUXエキスパートレビューだけではなく、一般的な利用者の方を集めて行うユーザーテストも行っております。専門家の視点から行うUXエキスパートレビュー、一般的な利用者の方の視点から行うユーザーテストを同時に実施することで、さらなるUX品質の向上に繋げることも可能です。

ユーザーテストについては「ユーザーテストで発見!2つのUX課題例とUXチェックポイント」の記事もご参考になるかと思いますので、ご興味がある方はぜひこちらの記事も合わせてチェックしてみてください。

それでは、また次回をお楽しみに。

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