コラム

  • 2021.06.11
  • マイグレーション
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  • #基礎知識

マイグレーションとは 手法や種類、コンバージョンとの違いを解説

マイグレーションとは?

マイグレーション(migration)とは、一般的には「移住」、「移動」、「移転」という意味をもった言葉です。
IT用語としては、マイグレーションとは利活用中のシステムを別の環境やバージョンへ「移行すること」や「乗り換えをすること」といった意味で使われています。
「乗り換え」とは、システムが連携している外部サービスを別のサービスに変更したり、自前で開発したシステム利用を止めて、ベンダーが提供するSaaSの利用に変更したりすることを意味します。

具体的に、マイグレーションは次のような場面で発生します。
・ハードウェアの老朽化や保守期限の到来による、ハードウェア故障リスクの回避
・OSやミドルウェアなどのバージョンがサポート終了による運用コスト増大、システム脆弱化の回避
・システム利用者数や取り扱うデータ件数の増加による性能低下の改善
・古くなったシステムを運用できるスキルを有するエンジニアの継続確保が困難
・ランニングコストの削減

よく似た言葉としてリプレイス(replace)がありますが、こちらは既存のハードウェアや、データベース・プログラムなどのシステム資産を同等の基盤へと移すことを指しますので、基本的に新旧での機能差分が発生しません。
ちなみに、昨今多いリプレイスは、オンプレミス環境からクラウド環境へのサーバー移行です。

マイグレーションの手法

マイグレーションのイメージ

新システムへのマイグレーションの手法としては5つあります。

リビルド:システムの再構築

システムを全面的に刷新して、データのみを新環境に移行する。

リホスト:インフラ刷新

アプリの言語やロジックは変更せずに、現在稼働しているプラットフォームをIaaSのクラウド環境へ移行するなど、ハードウェアのみを現在主流のインフラに移行する。

リライト:プログラム言語の変更

アプリのロジックは変更せずに、別のプログラム言語に書き直す。

リファクタリング:ソースコードの改善

既存システムのアーキテクチャやアプリの仕様には変更を加えず、プログラムの内部構造を整理してソースコードを可読性が高く修正しやすい状態に改善する。

SaaS移行:サービス利用へ移行

既存システムの全部または一部を破棄し、ベンダーが提供するSaaSの利用に切り替える。

マイグレーションの種類

PC操作のイメージ

マイグレーションには、「レガシーマイグレーション」、「アプリケーションの移行」、「ストレージの移行」、「データベースの移行」などの種類があります。

アプリケーション、ストレージ、データベースは移行対象そのものを指しており明確ですが、レガシーマイグレーションとは何でしょうか。

レガシーマイグレーションとは、「レガシーシステム」と呼ばれる、古い設計思想や製品に基づいてつくられたシステムを新しい技術や製品に置き換えることです。
特に、メインフレームやオフコンなどで稼働しているシステムを、最近のWindowsやUnix系OSをベースとしたシステムに移行することを表すことが多いです。

コンバージョンとマイグレーションの違い

コンバージョンのイメージ

マイグレーションとは、前述のとおり、別の環境やバージョンへの「移行」や「乗り換え」を行うことですが、似たような言葉でコンバージョン(Conversion)というものがあります。

コンバージョンとは、一般的には「変換」、「転換」、「転化」という意味をもった言葉です。
IT用語としては、データやファイルを別の形式に変換する場合にコンバージョンもしくはコンバートという言葉が使われます。文字コードがEUC_JPのファイルやDBをUTF-8に変換するなどといった作業が該当します。
マイグレーションが新しい環境やバージョンへの移行であるのに対して、コンバージョンはシステムを異なる設計思想のものに入れ替えることを指していることがこの2つの違いといえます。

まとめ

ここまで、マイグレーションについて整理してきました。
システム全体がマイグレーション対象となることもあれば、一部のみが対象となることもありますが、マイグレーションの実施が決まったら、まずは要件定義を行い、きちんと計画する必要があります。
例えば、日常生活において住居の引っ越しの際は、捨てるもの、もっていくもの、もっていけないもの、新しく購入するものを検討し、分類すると思いますが、まさにこの行為をマイグレーション対象システムに対しても行う必要があります。
このような点を曖昧にせず、いかに明確にできるかが、マイグレーションプロジェクトの成否を握っているということができます。

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