ハイパーパラメータ

ハイパーパラメータとは

ハイパーパラメータとは、機械学習モデルの学習プロセスを制御するために、人間が事前に設定するパラメータのことです。モデル自身が学習を通じて最適化するパラメータ(例えば、ニューラルネットワークの重みやバイアス)とは異なり、ハイパーパラメータは学習の「設定」を決定します。

ハイパーパラメータの役割は、モデルの学習方法や構造を定義し、その性能に大きな影響を与えることです。例えば、ニューラルネットワークにおける学習率、決定木の深さ、サポートベクターマシンの正則化パラメーターなどが該当します。これらの値を適切に設定することで、モデルはデータから効果的に学習し、高い予測精度を達成できます。

ハイパーパラメータの設定が不適切な場合、モデルは過学習や学習不足に陥る可能性があります。過学習は、モデルが訓練データに過剰に適合し、未知のデータに対する汎化能力を失う現象です。一方、学習不足は、モデルが訓練データから十分に学習できず、予測精度が低い状態を指します。そのため、ハイパーパラメータの調整は、機械学習モデルの性能を最大限に引き出すために不可欠な作業となります。

ハイパーパラメータ調整の具体的な方法としては、グリッドサーチ、ランダムサーチ、ベイズ最適化などがあげられます。グリッドサーチは、設定されたハイパーパラメータの組み合わせを網羅的に試し、最も性能のよい組み合わせを選択する方法です。ランダムサーチは、ハイパーパラメータの組み合わせをランダムに選択し、同様に性能を評価します。ベイズ最適化は、過去の評価結果を利用して、より効率的に最適なハイパーパラメータを探索する方法です。

近年では、自動機械学習(AutoML)の技術も進化しており、ハイパーパラメータの自動調整がより容易になっています。AutoMLは、データセットとタスクに基づいて、最適なモデル構造とハイパーパラメータを自動的に選択・調整するツールです。これにより、専門知識をもたないユーザーでも、高度な機械学習モデルを簡単に利用できるようになりました。

ハイパーパラメータの調整は、機械学習プロジェクトにおいて重要なステップです。適切なハイパーパラメータを設定することで、モデルの性能を向上させ、より信頼性の高い予測結果を得ることができます。

 

監修

株式会社SHIFT「ヒンシツ大学」クオリティ エヴァンジェリスト
林 栄一

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