• 業種情報/通信/メディア
  • 企業規模500名以下
  • 導入サービス
    標準化支援/AIエージェント環境の構築支援

さまざまな業界の事例を1冊にまとめました。

各社が抱えていた課題や取り組み内容、SHIFTの支援内容をご覧いただけます。
情報収集や比較検討に、ぜひダウンロードしてご活用ください。

今すぐダウンロード

Summary

計画最適化ソリューション「OPTIUM」(オプティウム)を展開する株式会社ALGO ARTIS(以下、ALGO ARTIS)様は、「社会基盤の最適化」を掲げています。高度なアルゴリズムで基幹産業の計画DXを牽引する一方、事業急成長に伴い「導入業務の属人化」が課題となっていました。SHIFTは暗黙知の標準化と、安全なAI環境「Biz Workspace」の構築、ならびに伴走支援を通じて、高品質なデリバリー体制の確立を支援しました。

大手企業でも残る「計画業務」の属人化
―変数と制約を解きほぐす「OPTIUM」の挑戦

最初に貴社の事業の概要についてお聞かせください。

株式会社 ALGO ARTIS
株式会社ALGO ARTIS 製造事業部 組立ユニット ユニットリード 河村 様(以下、河村様)

当社は2021年にDeNA(株式会社ディー・エヌ・エー)のAI新規事業からスピンオフして誕生したIT企業です。主にエネルギー、ロジスティクス、製造、運輸(鉄道・バス)といった社会インフラを支える企業様を対象に、AIやアルゴリズムを用いた計画DXソリューションを提供しています。そのなかでも私たちが特に注力しているのが、生産や物流といった「計画業務」の最適化です。製造業における生産・購買計画はもちろん、バスや鉄道の運行計画、燃料の配船計画、現場の人員・作業計画まで、幅広い領域に対応しています。

注力されている「計画業務」の領域には、どのような課題がありますか?

河村 様

現在、ほとんどの業務がシステム化されるなか、生産などの「計画業務」においては、日本を代表する大手企業様でも、未だにExcelやホワイトボードなどアナログな手法に依存しているのが現状です。  
システム化が進まない理由は、考慮すべき変数や制約条件が膨大だからです。例えば製造業であれば、材料調達、設備管理、製造、出荷など、あらゆる部署の状況を同時にクリアする計画を作らなければなりません。そのため、現場を熟知した「熟練者」に頼らざるを得ず、完全に属人化してしまっています。  

実際にあるお客様の事例でも、大ベテランの方一人にノウハウが依存しており、次世代への継承が困難な状態でした。特定の人員に頼る体制では次世代への引き継ぎが進まないだけでなく、時間的な制約から複数案の比較検討もできず、計画の品質が頭打ちになります。こうした状態が放置されると、欠品による機会損失や原因不明のトラブルを引き起こしかねません。  
こうした極端な属人化の課題を解決し、熟練者のノウハウをシステム化するのが、当社の計画最適化ソリューション「OPTIUM」です。「OPTIUM」の最大の特徴は「柔軟性」です。設備や工程、担当者、時間、在庫などの条件をマスター情報として登録し、複雑な制約条件に基づいてAIが最適な計画を自動でドラフトします。各社に合わせてデータベースやアルゴリズムを拡張できるため、同じ開発基盤で多様な業界・業態の複雑な要件を吸収できます。

事業急成長を支えるデリバリー業務の標準化へ
暗黙知の型化とAI環境で伴走支援

SHIFTを選ばれた背景を教えてください。

株式会社 ALGO ARTIS
河村 様

当社では「協奏的進化」というバリューを掲げ、産業ごとの専門チームでむずかしい課題に挑戦しています。お客様の複雑な要件に応えるフルカスタマイズでの開発を継続する一方で、製造業グループでは、より迅速に価値を提供するため、共通機能を搭載したクラウドパッケージ型プロダクトも新たに展開しています。
こうした事業領域の拡大を受け、組織も1年で2倍となる約100名規模に成長しました。

その結果、システム導入を担う私たち自身の「デリバリー業務」がボトルネックになり始めました。社員の7〜8割がエンジニアであり、ビジネス側で高度な要件を定義できるメンバーが限られていたのです。お客様の要求レベルは高く、顧客固有の情報をマスター化する作業や条件設定、要求に応じたカスタマイズからトライアルの環境構築まで、人的負荷が非常に高い状態でした。結果的に一部のハイパフォーマーにノウハウが「暗黙知」として属人化してしまいました。
過去に別のベンダーに支援を依頼したこともありましたが、当社が求める難易度の高い案件対応や標準化の両面で課題がありました。そこで、日々の案件推進を安定して代行しつつ、同時にデリバリープロセスの標準化まで担える、高いIT専門知識とデリバリー能力をもつSHIFTさんに伴走支援を依頼しました。 

ALGO ARTIS様の事業や現場のデリバリー業務に対して、どのような印象をもたれましたか?

株式会社 ALGO ARTIS
SHIFT 村山

プロジェクトを統括・推進する立場から見て、ALGO ARTIS様は本当に難易度の高い社会課題に挑戦されているなと感じました。同時に、エンジニアの技術力だけでなく、ビジネス職が行っている「デリバリーのプロセス」自体が極めて高度であることに驚きました。 
具体的には、社内でトップクラスのパフォーマンスを出されている担当者の方は、お客様の曖昧な言葉や課題のニュアンスを汲み取り、瞬時にシステムの仕様へと落とし込んでいました。並行して複数のまったく異なる業界の案件を回しながら、お客様に「自分の業務がこのシステムで回る」という納得感を与えているのです。こうした高度な判断力やノウハウを、組織全体に展開していくことが課題となっていました。  

また、案件ごとに必要となるトライアル用マスター構築の難易度と作業工数が、本来であれば高度な判断や調整に使うべきハイパフォーマーのリソースを圧迫していることも、デリバリーにおけるボトルネックとして顕在化していました。 

属人化の課題に、どのようなアプローチをされたのでしょうか?

SHIFT 村山

まずは、私自身が河村さんやハイパフォーマーの下で実際の案件に入り、彼らが「どう思考し、判断しているのか」を徹底的に観察しました。すると、業界が違っても、お客様がつまずくポイントや要件定義の勘所、要件をマスターに落とし込む手順には「共通のパターン」があることに気づいたのです。
単に成功例を真似るだけでは再現できません。そこで彼らのやり方を抽象化・構造化し、再利用可能な「型」へ落とし込んでいきました。しかし、この「型」を社内に展開するにあたっては苦労もありました。ALGO ARTIS様はAIへの感度が高い環境だったものの、ビジネス職の方々がいざAIを高度に活用(従来の生成AIだけでなく、CodexやClaudeCodeといったエージェントを実務に使用)しようとすると、「環境」と「心理的ハードル」という壁があったのです。 
エンジニアの端末にはPythonなどの実行環境があり自由にAIを動かせますが、ビジネス職の端末にはそうした環境がありません。「入口がわからない」「ガバナンス的に勝手に使っていいのか怖い」という状態で、せっかく型を作っても実行環境がなければ絵に描いた餅になってしまいます。 

そこで2025年11月から体制を構築し、2026年3月頃からは私が主導して、ビジネス職でも安全かつ効率的にAIを活用できる環境「Biz Workspace」の構築を進めました。具体的には、SHIFTの組織力と技術力を活かし、ALGO ARTIS様が擁するトップクラスのエンジニアを巻き込む形で、以下の5つのステップを実行しました。 

  1. AI活用ルールの整備(ガバナンスの確保) 
  2. OPTIUM仕様の正本・索引化(AIが仕様に基づいたケイパビリティ診断、マスター構築を担える仕組み作り) 
  3. 業務で使えるアセットの作成(抽象化した「ヒアリングの型」などの実装) 
  4. 利用環境の標準化(誰もが同じように使える基盤作り) 
  5. ビジネスメンバーへの展開(現場への落とし込み) 

「肩の上に熟練者が乗る感覚」AI環境が実現した、対話に100%集中できる業務変革

AI環境「Biz Workspace」導入前後でどのような変化を感じられましたか?

株式会社 ALGO ARTIS
SHIFT 刑部

私はALGO ARTIS様のデリバリー担当として、ALGO ARTIS様の顧客への向き合い担当をしていたのですが、「Biz Workspace」導入前はヒアリング項目が多く、何から最優先で聞くべきかが掴みきれていませんでした。しかし、「Biz Workspace」を使うようになってからは、AIが「この情報に基づくと、次に聞くポイントはここです」「ここが曖昧なので詰めてください」と的確にナビゲートしてくれるようになり、ヒアリングの精度が大きく向上しました。 
河村さんたちが構造化してくださったノウハウがAIに組み込まれているおかげで、まるで自分の肩の上に「小さな河村さん」が乗っていて、商談中に「あ、ここは聞いたほうがいいよ」とささやいてくれているような感覚で業務を進められています。 

河村 様

刑部さんの言う通り、「抜け漏れがない」安心感から焦りがなくなり、担当者がお客様との対話や本質的な議論に100%集中できるようになりました。AIが情報の整理や次の一手の提示を担うことで、明確な成果が出ています。

・体制の最適化と工数削減:
従来は案件管理者、推進担当、マスター構築の3名体制でしたが、推進担当者がAIを活用し一人で完結できるようになり、約1人月
(1人が1ヶ月稼働する分)の工数削減につながりました。
・リードタイムの大幅短縮:
以前はアセスメントに1〜
2ヶ月(5〜10回の面談)を要していましたが、現在は2回目の面談でマスターを構築し、実際の画面を見せながら早期にトライアルを提案できています。

2026年4〜5月頃には、案件推進の標準的な仕組みとして定着しています。感覚的だった私のノウハウが「型」として横展開できるようになったことは、業務効率化にとどまらず、弊社がスケールしていくための大きな武器になりました。

自走するAI活用文化を育み、
事業成長を共に創る「真の伴走支援」

SHIFTの支援に対する評価について教えてください。

株式会社 ALGO ARTIS
河村 様

非常に高く評価しています。依頼した作業をこなすだけでなく、現場の状況から仕組み化の提案・社内展開まで率先して進めてくれました。社員以上の熱量で事業成長を考えてくれる、まさに「真の伴走支援」です。私たちが抱える課題を一つ減らして安心してお任せできることこそ、SHIFTさんを選んで本当によかったと感じる理由ですね。
また「Biz Workspace」の整備により、社内に「自らAIを活用しよう」という機運が波及しました。SHIFTさんの姿勢がいい刺激となり、社員が主体的に業務改善へ取り組む文化が醸成されつつあります。 

今後の展望についてお聞かせください。

河村 様

世の中には、計画業務の属人化に苦しんでいる企業様がまだまだたくさんいらっしゃいます。現在の進捗率でいえば、まだ全体の1割にも満たない印象です。
今後は各業界向けにチームをさらに拡大し、「計画段階から業務を標準化・システム化することが、現場の大きな力になる」ということを社会の当たり前にしていきたいと考えています。そのためにも、SHIFTさんには引き続き効率化の仕組みを提供していただき、私たちが本業の価値提供に専念できる環境づくりをご一緒できればうれしいです。 

SHIFT 村山

SHIFTのミッションもそこにあります。現在は「OPTIUM」の大幅な進化に伴う新バージョンへの対応を優先しており、私を含めた少人数体制でご支援していますが、次回の契約更新を見据えた増員も検討しています。現在構築した「標準化の仕組み」をベースに、さらにスケールできる体制へと進化させることが急務です。ALGO ARTIS様の事業の急拡大にしっかりと追いつき、ビジネスメンバーが誰でも高いパフォーマンスを発揮できる環境を継続して提供していきたいと考えています。 

SHIFT 十亀

本日は貴重なお話をありがとうございました。ご提案の段階から窓口として携わらせていただいている身として、冒頭でお伺いした深い社会課題に対し、高度な技術で真摯に向き合われている姿勢に改めて感銘を受けました。ALGO ARTIS様がさらなる拡大フェーズを迎えるなかで、その推進力となれるよう、これからも全力で伴走してまいります。 

株式会社 ALGO ARTIS

※掲載内容は2026年8月取材時のものです。
撮影場所:WeWork Hanzomon PREX North

株式会社 ALGO ARTIS

株式会社 ALGO ARTIS

お役立ち資料

テスト計画書のテンプレートやベンダーの比較チェックシートや技術的な講座の動画など今日から使える情報が満載。

お役立ち資料をもっと見る

Top