• 業種流通/小売
  • 企業規模10,000名以上
  • 導入サービス
    支援型PMOテスト計画テスト設計テスト実行

様々な業界の課題解決をPDFにまとめました

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Summary

機能性とデザイン性を両立したオリジナル商品の開発から販売を行っている株式会社カインズ様。デジタル戦略を推進しお客様の利便性向上に積極的に取り組んでいます。今回、SHIFTでは社内の業務で使用するWarehouse Management Systemのリプレイスと新規物流センター立ち上げプロジェクトをご支援いたしました。

物流センター自動化に向けて
社内システムのリプレイスを検討

貴社が現在注力していることについて教えてください。

株式会社カインズ様
株式会社カインズ SCM事業部 物流インフラ開発部 部長 石那田 篤様(以下、石那田様)

当社はSPA(製造小売)型のホームセンターで、「より良いものをより安く」提供し、お客様の「くらしをDIYする」を応援している会社です。DIY・園芸用品から日用品、家電、ペット用品まで幅広く展開。特に機能性とデザイン性を両立したオリジナル商品の開発にも注力しています。「楽カジ」シリーズや「Skitto」など、家事の負担軽減や整理収納に役立つ商品が人気です。

また、デジタル戦略も積極的に推進しています。オンラインショップやアプリによる利便性の向上や、オーダーカット家具のプラットフォーム展開も行っています。地域社会との連携も重視し、「くみまち構想」を通じた活性化にも貢献しています。

当社サービスの導入を検討された「きっかけ」を教えてください。

株式会社カインズ様
株式会社カインズ SCM事業部 物流インフラ開発部 間庭 宏貴様(以下、間庭様)

10年以上前に導入したWarehouse Management System(以下、WMS)を使用していたのですが、時代の変化に伴い、高度化する物流業務への対応が難しくなってきました。また、物流センターの自動化を推進プロジェクト検討していく中で、その実現に向けてWMSの刷新を検討したのが最初のステップです。

ただ、当時WMSの開発に携わったメンバーがいないのと、グループ内のシステム会社がWMSの開発や管理をしていたため、社内でシステムの知見をもった人材が不足していました。

また、WMSは物流業務に直結するため、極めて高い品質が求められます。そのため、システムの品質を担保できる専門的な人材や、システムの知見をもって第三者的な立場で適切なアドバイスを提供してくれる外部の支援が必要でした。このような要件を満たすパートナー企業を検討したのがきっかけになります。

SHIFT 根本

WMSのリプレイスを間庭様と一緒に進めていくなかで気をつけたのは2点あります。ひとつはWMSの展開の知見をもとに次の新倉庫のシステムに向けて品質を担保すること。もうひとつは業務目線でしっかりと運用がまわるようにフォローすること。このふたつの軸で提案させていただきました。

最終的にSHIFTの参画を決めた経緯を教えてください。

間庭様

他社でSHIFTさんのサービスを導入して、様々なプロジェクトでの成功実績があったことが大きな要因のひとつです。システムの品質を保ち円滑にプロジェクトを進めていく点において、私たちのプロジェクトにもその経験や実績を活かしていただけるのではないかという期待がありました。さらに、システム面だけでなく、先述した業務運用に関する課題解決やプロジェクト全体の進捗管理など、他方面でのサポートを期待できると考え最終的に選ばせていただきました。

石那田様

私の過去の経験では、品質に対して費用をかける機会はあまり多くありませんでした。なぜなら、自分たちで開発したシステムではなく、3PLや外販されているシステムを導入することが多かったからです。

自社開発のシステムを計画どおりにリリースし、早期に安定稼働をさせるためになにをするべきかを考えSHIFTさんにお願いすることにしました。実績も豊富でWMSの理解度が高く、課題に対して短期間で対応していただけるかが選定のポイントになります。

新規物流センター立ち上げプロジェクトに参画
目標期限内にリリースを達成

今回の新倉庫立ち上げプロジェクト(桑名流通センター・日高流通センター)で特に重視したポイントを教えてください。

石那田様

桑名流通センターと日高流通センターは当社の次世代モデルセンターのモデルとして開設されました。そのため、投資効果が高いと判断できた最新の物流技術や自動化設備を積極的に導入し、庫内作業の効率化や省人化を図り、高い生産性の実現を重視しています。

プロジェクトでの役割と感想を教えてください。

間庭様

プロジェクトの役割としては、基本的には私がWMSをはじめとする庫内のシステム全般、特にソフトウェア関連を担当しています。一方、村山がマテリアルハンドリング(マテハン)などハードウェア寄りの業務を担当しています。

今回のプロジェクトにおける最大の成果は、大きなシステムトラブルを起こさずにセンターを稼働することができた点にあります。この要因は、テスト段階での致命的な不具合の徹底的な洗い出しと修正、そして稼働後に発生した不具合へ迅速に対応いただけたことだと思っています。

株式会社カインズ様
SCM事業部 物流インフラ開発部 村山 和貴子様(以下、村山様)

桑名流通センターでは多種多様な自動化マテハンを導入しており、導入にあたっては多くの課題が発生しました。

マテハンに関する課題が発生した際は、まず原因調査が最も重要な部分ですが、多くのマテハンが存在するためその障害やエラーにおいて、どこがトリガーで起きているのかを見極めるのが大変でした。「アプローチにおいてまずどこから着手すべきか、というポイントをおさえる」、特にソフトとハードの原因の切り分けをスムーズに進めることができたことが結果的に課題の早期解決につながったと思います。

システム全体を網羅的に見ることができたことも大きなトラブルがなく稼働できたポイントだと思います。後続の日高流通センターの立ち上げにおいてはこの桑名流通センターでの知見を取り入れたことでよりシームレスな立ち上げを実現することができました。

株式会社カインズ様
SHIFT根本

我々も物流のWMSやLMSなど、システム単体の品質保証の実績があります。私も過去に在庫管理の仕組みや配送管理を担当した経験がありました。ただ、今回のプロジェクトのように物流倉庫を新しく建てて、ハードも入れて一から業務を構築するのははじめての経験でした。

そこは私以外のプロジェクトメンバーの知見も活用しながら進めているという状況です。今回気をつけたのは、システムと業務の紐づけが我々としてのチャレンジでした。そこをしっかり注意しながら進めました。

慣れない自動倉庫のテストは試行錯誤の連続でしたが、当初のマイルストーンを死守できてよかったです。倉庫内で行うテストに対応するため様々な工夫をしました。トランシーバーを用意して広い倉庫内でのコミュニケーションを図ったり、テストで使用するダミー商品を破損品だけでなく段ボールの中に重りを入れたものを 1,500 個ほど用意したり。また、冬の倉庫作業となるため、防寒対策なども行いました。

村山様

テストの期間が限られているスケジュールのなかで、センターの稼働日に影響のないテスト計画を策定していただき実行していただけました。また、SHIFTさんのノウハウに加えて当社の倉庫業務の運用をふまえた網羅的なテストを実施いただきシステムの品質を高めることができました。桑名センターが稼働した直後は業務運用で混乱が生じましたが、テストの知見を踏まえながらシステム運用面でもサポートいただき、早期安定化につながったと思います。

プロジェクトを進めるなかで印象に残っていることを教えてください。

間庭様

私が一番印象に残っているのは、コミュニケーションの質の高さです。私たちが「こうしてほしい」「このように進めてほしい」といった要望や指示を出した際に、レスポンスが早く非常に助かりました。レスポンスがないとプロジェクトの進行に不安が生じますが、時間がかかる場合でも「これくらいかかります」と明確に伝えていただけたので、プロジェクトを滞りなく進められたことが非常に良かったと感じています。

村山様

私が過去に経験した業務との大きな違いは、要件を聞くだけでなく「こういうことをやりたい」と言ったときに、自分たちが持っていない知見を提供してくださる点です。「もっとこうした方がいいです」や「それは進めない方がいいです」といった客観的な意見をいただけたのは大きかったと思います。ユーザー側が出した要件だけにあわせてシステムをつくると、見落としが出てくることが多くあります。ポイントをおさえながらコミュニケーションができてよかったと思います。

石那田様

やはり第三者目線をしっかり入れてくれていると感じました。WMSや、桑名や日高の新規センターもSHIFTさんなくしては、早期の安定化はなかったと感じます。やはり稼働前テストなどを通して品質を上げていくことは極めて重要だというのは今回の大きな学びです。

また、社内や他のベンダーとは異なる第三者の視点から、課題やリスクを指摘し、より客観的な判断や合意形成を促していただきました。テスト工程では複数のベンダーが関わるためコミュニケーションが複雑になりましたが、各ベンダーの進捗を適切に管理しながら遅延や課題が発生した際には早期に共有して、解決に向けた調整をしていただきました。

さらに、プロジェクトの立ち上がりの段階から、社外の方に壁打ち相手になっていただけたことも非常によかった点です。社内のメンバーだけで進めた場合、「これでいいか」となることがあります。そこをSHIFTさんと壁打ちすることで、ダメなものはダメと伝えていただけたり、改善が必要な部分の意見をいただけたり、そこに価値があると感じました。

これからの展開について教えてください。

石那田様

導入機器を活用した生産性向上に、引き続きSHIFTさんには業務改善の支援もお願いしています。また、生成AIを活用した業務改善や効率化なども積極的に検討していきます。

SHIFTさんとは継続的なパートナーとしてともに成長していき、共創関係を築きたいと思っています。

株式会社カインズ様

※掲載内容は2025年5月取材時のものです。

株式会社カインズ様

株式会社カインズ様

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