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Summary

富士通株式会社様が全社横断で進めるERP刷新プロジェクト「OneERP+(ワンイーアールピープラス)」。4,000以上の個別最適化によって肥大化した社内システムをシンプル化し、SAP S/4HANAを中核に据えて基幹システムを刷新する巨大プロジェクトです。
その開発終盤、同プロジェクトは「テスト体制のさらなる増強が必要」という深刻な課題に直面しました。予定通りの本番稼働、そしてその後のグローバル展開をいかにして実現したのか、その背景を伺いました。

4,000以上の社内システムを1,000へ集約
データドリブン経営への転換

今回の「OneERP+」プロジェクトの概要について教えてください。

富士通株式会社 様
富士通株式会社 CorporateDigital本部 本部長代理(兼)CEO室 Data&Process Division長代理:澁谷 岳正様(以下、澁谷 様)

現在、富士通はグローバルでの業務プロセス標準化により、全体の生産性を高めるとともに、真のデータドリブン経営を実現する『One Fujitsuプログラム』を全社挙げて推進しています。その中核を担うのが、SAP S/4HANAを採用し、グループ全体の最適化を目指す今回私たちが担当した『OneERP+』です。

具体的には、どの程度の規模のプロジェクトなのでしょうか?

澁谷 様

グループ全体で、部門や国、商材ごとに4,000以上の社内システムが乱立していました。データの整合性をとるだけでも手間がかかり、迅速な経営判断ができません。
そこで、これら4,000のシステムを最終的に1,000程度まで集約し、シンプルかつモダナイズされた共通基盤を構築することを決めました。さらに業務オペレーションをグローバルスケールで標準化し、リアルタイムで粒度・精度が担保されたデータをデータレイクで一元化。それを経営・事業の両面で活用するデータドリブン経営を目指しています。単なるシステム刷新ではなく、経営のあり方を根本から変える挑戦でした。

4,000を1,000に集約するというのは、相当なインパクトですね。
プロジェクトはいつ頃から動いていたのですか?

澁谷 様

2020年頃に構想フェーズが立ち上がり、2021年の要件定義を経て、2024年10月に日本の本社と富士通Japanが稼働を迎えました。本社での初稼働は非常に大きな山場でしたが、そこでの経験を活かすことで、つづくオーストラリアやニュージーランドなど海外4カ国については比較的順調に展開を進めることができました。

開発の佳境からテストフェーズへ
円滑な体制移行への挑戦

SHIFTが参画する前の、現場の状況はどうだったのでしょうか?

富士通株式会社 様
富士通株式会社 CEO室 Data&Process Division エグゼクティブディレクター:青木 義朋様(以下、青木 様)

経営プロジェクトであるがゆえに期待も大きく、それだけ周囲への影響も多大で、プロジェクトは決して順調な滑り出しではありませんでした。私は開発全般を統括していましたが、本来、開発と並行して進めるべきテスト工程の準備が、どうしても後手に回ってしまっていたのです。想定を遥かに超える開発ボリュームに対し、リソースの大半をそこへ注ぎ込まざるを得ない状況でした。いざテストフェーズの開始が目前に迫っても、テスト計画やケースの策定は手付かずの状態。現場を牽引する体制もパワーも不足しており、チーム内には『このままではSIT(システム統合テスト)に移行できないのではないか』という重苦しい空気が漂っていました。

澁谷 様

膨大なデータ量に加え、グローバルでのプロセス統一という難題もあり、テスト工程を確実かつ迅速に立ち上げることが、本番稼働への必須条件でした。

そこでSHIFTへ依頼されましたが、選ばれた決め手は何だったのでしょうか?

澁谷 様

もともと、SHIFTさんがテストの専門集団として数々の実績を上げられているのは知っていました。今回私たちが求めていたのは、単なる「作業者」ではありません。混沌とした状況のなかでテスト体制を具体化し、強力に現場をリードしてくれるプロフェッショナルです。それをお願いできるのはSHIFTさんだと判断しました。

スピード感をもって体制を構築
SHIFTが担った「並走型」の品質管理

SHIFTが参画したのはSIT(システム統合テスト)開始まで残り2ヶ月というタイミングでした。

富士通株式会社 様
富士通株式会社 CEO室 Data&Process Division シニアディレクター:竹中 郁夫様(以下、竹中 様)

SHIFTメンバーと合流した当初は、まさに「ここからどうやって短期間でSITを軌道に乗せるか」がプロジェクト最大の関心事でした。詳細を詰めながら並行して走り出すという、高いスピード感が求められるスタートでした。

SHIFT:小松

そうですね。残り2ヶ月という限られた期間で、膨大な開発とテスト準備を両立させる必要があり、連日緊迫した議論を重ねました。単にすべての項目を並列に扱うのではなく、リスクベースの観点から業務インパクトの大きい領域を特定。そこにリソースを集中させることで、短期間でも最大限の品質を担保できるテスト計画を組み立てていきました。

まずは「選択と集中」からはじまったのですね。

竹中 様

そうです。SAPのプロジェクトでは、各領域の専門家はいても、全体を横断してテストを推進する役割が不足しがちで、その「領域の垣根」を越えた全体整理を強力にサポートいただきました。 具体的には、リスクの高い領域や業務影響の大きい箇所を特定し、リソースを集中させる。いわばテストに「濃淡」をつける戦略を採ったことで、現実的な計画に落とし込むことができました。

青木 様

限られた時間で最大限の効果を出すうえで、その『濃淡』は重要でした。当時のSHIFTさんの動きは私たちの期待を遥かに上回るものでした。システム数もデータ量も膨大ななか、横断的に動けるテストチームを短期間で構築し、計画を策定していく。もしあの数ヶ月で体制の立て直しに伴走してもらえなかったら、予定通りのテスト開始は困難だったと感じています。

縦割りの壁を越え
「全体最適」の視点を浸透させる

富士通株式会社 様
SHIFT:小松

大規模プロジェクトならではの課題として、組織の「縦割り」構造もありました。SAPではモジュール(販売、会計など)ごとに担当がわかれますが、テスト推進はそれらを繋いで全体を見なければなりません。

竹中 様

どうしても各担当者は自領域の最適化に注力するため、隣の領域や全体最適の視点が抜け落ちがちです。そこに横断的なチームが入って調整を依頼するわけですから、当初は現場から「仕事が増える」と捉えられ、反発に近い反応もありました。

青木 様

「テストはどこかのチームがやってくれるだろう」という意識が生まれやすい環境で、共通テストチームは一見「厳しい要求を出す存在」に見えてしまいます。しかし、私たちが目指したのは、領域を超えて情報を繋ぎ、プロジェクトを成功に導くこと。この「縦割り」の壁をどう突破するかが、次なる大きな挑戦でした。

現場の知見を尊重し「教えを請う」姿勢
信頼で結ばれたOne Teamの構築

結果的に、当初の予定通り本番稼働を迎えられました。
短期間で体制を立て直し、完遂できた要因は何だったのでしょうか?

富士通株式会社 様
澁谷 様

あの短期間でテストの枠組み(フレームワーク)を強固に構築できたことが、稼働への決定打だったと思います。まさに正念場の数ヶ月でしたが、SHIFTさんが品質保証のプロとして現場に入り、体制の土台をつくってくれました。これがその後のスムーズな運営に繋がったと思います。

竹中 様

そうですね。特に大規模なプロジェクトでは、機能ごとにチームがわかれている分、どうしても領域の『狭間』が生まれやすく、そこが大きなリスクになります。SHIFTのみなさんは、その隙間を埋めるように全体を繋ぎ、横断的な役割を果たしてくれました。非常にタイトなスケジュールのなか、つねに現場の最前線に立って調整に奔走していただいたと感じています。

領域横断で動く際、現場の協力を引き出すために意識した「秘訣」はありますか?

竹中 様

私がつねに意識していたのは、不明点や違和感を曖昧なままにせず、その都度、専門家の方々に教えを請う姿勢をもちつづけたことです。その結果、表面的な把握に留まらず、背景や意図まで含めた本質的な理解を得ることができ、手戻りのない迅速な判断と、関係者間における強固な共通認識の形成につながったと考えています。

富士通株式会社 様
SHIFT:小松

竹中さんが現場の方々の専門性をリスペクトし、歩み寄る姿勢を貫かれたことで、周囲の意識も『共にプロジェクトを成功させよう』という前向きなものへ変わっていきました。多忙を極める現場において、『それなら力になろう』という合意を得られたことが、プロジェクト全体を加速させる強力な推進力になったのだと思います。

青木 様

竹中さんが現場へ自ら足を運んで丁寧に説明を重ね、SHIFTさんが準備や段取りを全力でサポートする。その姿を見て、最初は調整に難色を示していた現場も、次第に「一つのチーム」としてまとまっていきました。単なる『外注先』ではなく、同じ目的を共有するパートナーとして関係を築けたことが最大の要因だと思います。

目的志向で支え続けるパートナーシップ
グローバル展開と次世代経営への展望

改めて、SHIFTメンバーの印象はいかがでしたか?

富士通株式会社 様
青木 様

プロジェクト開始当初、難易度の高いプロジェクトであるため、リスクを恐れて二の足を踏む協力会社さんも少なくない状況でした。しかし、SHIFTさんは「やります」と力強く応えてくれた。また、期待を大きく上回ったのは、テスト領域に留まらず、データ移行や障害検証など人手が足りないボトルネックがあれば、自ら進んでフォローに回ってくれたことです。「契約範囲外だからやらない」ではなく、『プロジェクトを完遂させるために何が必要か』という目的志向で動いてくれる。その機動力と高い視座は、まさに「One Team」を体現するものでした。

SHIFT:小松

私たちのミッションは「テストを完遂すること」ではなく、「プロジェクトを成功させること」にあります。ですから、チーム全体で「ボトルネックがあれば領域を超えて支援しよう」という意識が自然と共有されていました。自分の担当領域ではなくても、ボトルネックになっている箇所があれば「フォローに入ります」と手を挙げるメンバーが多かったです。

竹中 様

単に「決まったテストをこなす」というスタンスに留まらなかった。データ障害の検証など、人手が足りない領域があれば、SHIFTのメンバーは領域を超えて自然とフォローに入ってくれた。「プロジェクトを成功させる」という一番の目的のために動いてくれました。

澁谷 様

テストを通じてシステム全体を俯瞰しているSHIFTさんだからこそ、データ移行などの後続フェーズでも柔軟かつ的確なサポートが可能だったのだと思います。この「プロジェクトを自分事として捉える姿勢」は、私たちにとっても非常に心強い武器になりました。

日本国内での稼働を経て、その後の状況はいかがでしょうか。

富士通株式会社 様
澁谷 様

本社稼働直後は、いくつかの課題も生じましたが、現在は解消し、安定稼働しています。重要なのは、その経験を「教訓」として次のステップに活かせたことです。

一年後に実施したオーストラリアやニュージーランドなど4カ国での稼働では、日本での知見をベースに、テスト段階から現地の業務担当者やユーザーを徹底的に巻き込む手法を強化しました。IT部門だけでなく、ビジネス部門の優秀なメンバーも一体となったチームで、定着までしっかりフォローする。これが私たちの強みです。

青木 様

その結果、海外展開は驚くほどスムーズに進みましたね。大きな障害もなく、「本社稼働時の苦労が嘘のようだ」と感じるほど高品質なリリースを実現できました。

竹中 様

本社のときは手探りな部分もありましたが、そこで培った「ここは重点的に見るべき」「ここはユーザーを巻き込むべき」という勘所を計画に反映できたのが大きかったです。SHIFTさんと積み上げたノウハウが、グローバル展開の成功サイクルを生み出したと感じています。

システムを「つくって終わり」にしない、定着へのこだわりを感じます。

澁谷 様

今回のプロジェクトの強みは、IT部門だけでなく、コーポレート部門の経理や購買、そして営業やSEといったビジネス部門の優秀なメンバーを集め、一体となっている点にあります。 彼らが前面に立って現場への説明や定着をフォローし、稼働後もITとビジネスが両輪となってモニタリングと改善をつづけていく。この「現場に根付かせる力」こそが私たちの強みであり、そこにSHIFTさんも変わらず伴走していただいています。

AI活用と「実践」の知見を
お客様への提供価値へ

最後に、今後の展望とSHIFTへの期待をお聞かせください。

竹中 様

まずは欧米や国内グループ会社への展開を着実に進めていきます。すべてのデータが統合されたとき、富士通が目指す真のデータドリブン経営がはじまります。さらにその先では、AIを活用した業務の自動化など、新たな領域へのチャレンジも積極的に行っていく方針です。

青木 様

さらなる機能拡張とAIドリブンの要素を加え、プロジェクトはこれからも絶えず進化しつづけます。SHIFTさんには、これまでと変わらず「One Team」として、ときには泥臭く、そして力強く伴走していただくことを期待しています。

澁谷 様

社内システムを「実践の場」としてAI活用などを進め、それをビジネスに繋げていく。このプログラムを完遂させ、データドリブン経営を揺るぎないものにしていきます。引き続き、よいパートナーシップをお願いします。

SHIFT:小松

プロジェクトの進化に合わせ、SHIFTも「One Team」で富士通様の変革に力強く伴走していきたいと思っています。

富士通株式会社 様

※掲載内容は2026年2月取材時のものです。

富士通株式会社 様

富士通株式会社 様

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