株式会社MIXI 導入事例
10年以上続く巨大タイトル
『モンスト』の
品質保証組織を変革。
コンサルタントとして伴走

Summary
MIXI様は、「人と人をつなぐ」ことを原点に、国内SNS「mixi」からはじまり、現在ではスマートフォンゲーム『モンスターストライク』をはじめ、『みてね』『minimo』『TIPSTAR』など、多様な事業を展開しています。「ユーザーに幸せな驚きを届けられているか」をつねに考える思想は、すべての事業に共通しています。SHIFTはコンサルタントとして品質保証組織の変革を支援しました。
『人と人をつなぐ』原点から生まれた
モンスターストライク
改めて、MIXI様の会社の軸を教えてください。
私たちはゲームやエンタメにこだわるというよりも、「人と人がつながる」体験を届けることを最も大切にしています。一般的に使われるユーザーファーストに対し、MIXIでは「ユーザーサプライズファースト」という考え方を大事にしていて、使ってくださる方が、少しでも驚きや幸福感を感じられるかを重視しています。
「モンスターストライク」は、どのような想いから生まれたのでしょうか?
SNS「mixi」を運営するなかで、人と人がつながる価値を強く感じていました。そのなかで、ゲームという形で新たなコミュニケーションを生み出せないかと考えたことが、『モンスターストライク』の発想の原点にあります。当時主流だった、ボタンを押すだけの単調なソーシャルゲームではなく、よりゲーム性(面白さ)の高いものを目指して企画がスタートしました。そのうえで、誰でも直感的に楽しめる「ひっぱる」アクションを採用し、「人が集まって遊ぶ」ことを重視。対面でスマートフォンの画面を囲みながら、一緒に盛り上がれる体験を提供する――そうしたコンセプトのもとで開発されたと聞いています。
「モンスト」という巨大プロジェクトの規模感について改めて教えていただけますでしょうか?
QA(品質保証)チームだけでも50名以上、関連部署を含めると500~600名規模のプロジェクトです。『モンスト』はリリースから10年以上が経過し、大規模なサービス・組織へと成長しました。
長期運用のなかで生じる
「慣れ」と「組織の硬直化」への危機感
10年続くサービスだからこそ抱える課題というものがあったのでしょうか?
はい。運用フローが決まっていて安定している一方で、「慣れ」が生じ、組織としての感覚が鈍化しているのではないかという危機感がありました。「この作業は、本当にいまの時代や環境に合っているのか?」「ただのルーチンワークになっていないか?」という疑問です。
長く担当させていただいている私から見ても、MIXI様はつねに「もっと良くしたい」という意欲をおもちですが、中の人だけではどうしても気づけない「当たり前」の壁があるようには感じていました。
まさにそうです。社内の人間だけで議論しても、どうしてもこれまでの経緯や既存のルールに縛られてしまう。そのため、第三者の視点で組織全体を見てほしいと考えました。
最初から外部コンサルタントを入れることには前向きだったのですか?
当初、上層部からは「これまでにコンサルを導入した前例がない」「本当に必要なのか」と懐疑的な声がありました。現場も、外部の方が入ることで、実態とずれた指摘がなされるのではないかという懸念がなかったわけではありません。
現場の立場からすれば、「何も知らない外部の人間に何がわかるんだ」と感じてしまうのは自然なことです。私自身、逆の立場であれば同じように感じたと思います。
そうですね。ただ、それ以上に「組織が硬直化してしまうのではないか」という懸念が強くありました。定常的にご支援いただくのは難しくても、短期間で集中的に見ていただく形であれば可能性があるのではないかと考えたのです。
現場に入り込み、
組織の意識を変革するアプローチ
外部から助言するのではなく、現場の一員として業務を理解することを意識しました。なぜこの作業が必要なのか、なぜここで滞っているのか。社内連絡のやり取りを遡ったり、実際の作業を自分で行ったりしながら、ボトルネックを探っていきました。
一般的にコンサルタントというと、会議室で話を聞いてレポートを提出する、というイメージをもたれがちですが、桑原さんは手を動かし、私たちと同じ目線で情報をキャッチアップしてくれました。だからこそ、提案内容も現場の実情に即していて腹落ち感がありました。
現場のみなさんが日々どれほど忙しいかは、入ってすぐにわかりました。そのなかで「これをやってください」と新たな負荷をかけるのではなく、「こうすれば少し楽になるし、将来にもつながる」という道筋を示すことを大切にしていました。
事務作業中心だった
アシスタントチームの意識改革
具体的には、どのような改善に取り組まれたのでしょうか?
アシスタントチームの役割そのものを見直しました。当時は事務作業に限定されていたため、各チームの状況を把握できる立場を活かし、組織全体が円滑に回るよう働きかける「PMO的な視座」をもってもらうよう伝えました。彼らの存在感を高めることが、組織全体の底上げにつながると考えました。
社内では「アシスタントはサポート役」という固定観念がありましたが、意識が変わったことで、組織全体の底上げと成長につながる大きなきっかけになりました。
意識改革を進めるうえで、コミュニケーション面で工夫された点はありますか?
階層ごとに異なる課題や考え方を踏まえたコミュニケーションを重視しました。マネージャー層だけでなく、リーダーや現場メンバーとも直接対話し、意図を正確につなぐ「翻訳機」の役割を担うことが、外部の私の重要な役割だと考えていました。
おかげで、伝言ゲームのように意図がずれることなく、トップダウンではなく、現場が納得して動ける体制ができました。
「耳の痛い指摘」が、信頼をつくる
パートナー企業との関係では、どうしても“お客様扱い”になりがちだと思います。
そこがSHIFTさんの最大の魅力だと感じています。社内の振り返りや一般的なパートナーとのやり取りでは、「今回はここが良かった」「頑張ったね」といったポジティブな話で終わってしまいがちです。仮に課題があっても、「まあ、察してくれ」という空気感で流れてしまうことも多い。
ビジネスライクな関係であれば、波風を立てずに「引き続きよろしくお願いします」と言っておく方が楽かもしれません。ただ、私たちはMIXI様と長くお付き合いしていますし、本気でサービスを良くしたいと思っています。だからこそ、悪い点を曖昧に濁すような言い方には意味がないと考えています。
そうなんです。SHIFTさんは、私たちが気づいていない、あるいは薄々気づきながら目を背けていた課題に、真正面から切り込んでくれます。「ここは良くない」「このままではいけない」と。正直、耳が痛いことも多いですが、それを言ってくれる存在がどれほど貴重かを実感しています。
『モンスト』という偉大なサービスが、数年ではなく、この先さらに10年続いてほしいと思っているからこそです。嫌われてもいい覚悟で率直に話すことが、建設的な議論につながります。それでも、MIXIのみなさんが真摯に受け止めてくださったのは、とてもありがたかったですね。
その「未来視点」があるからこそ、厳しい指摘も素直に受け止められるんです。単なるダメ出しではなく、「将来こうあるべきだから、いま、ここを直そう」という提案になっている点がよかったです。
指摘を受け止め、
改善につなげるMIXIの企業風土
言われた瞬間は「うっ」となりますけどね(笑)。でも、振り返ると「確かにその通りだ」と気づかされることばかりでした。もちろん、指摘されたことすべてをすぐに実行できるわけではありません。予算やリソースの制約もありますから。ただ、信頼関係があるからこそ、『それは正しいけれど、いまのフェーズではむずかしい』と本音で返せるようになりました。
そう言っていただけるのが一番うれしいです。それが一番健全な関係だと思っています。「できない」と言える関係でなければ、対話は成り立ちません。一方的な提案で終わらず、「では次に何ができるか」という建設的な議論につながることに価値があると思っています。
少し大げさかもしれませんが、本当に「信頼できる右腕」のような存在です。社内の人間以上に、私たちの組織やサービスの未来を考えてくれていると感じています。
お話を伺っていると、「仲間意識」のようなものを感じます。
私は営業担当として、1〜2ヶ月に一度、弊社メンバーについてのフィードバックを福永様からいただく機会を設けています。そのなかで感じるのは、MIXI様が業務のアウトプットだけでなく、「その人がチームにどう溶け込んでいるか」「どんな関わり方をすると、より力を発揮できそうか」といった、人としての側面まで丁寧に見てくださっている点です。
単なる作業者ではなく、自ら考えて動くSHIFTのみなさんだからこそ、一緒に働く仲間として成長にコミットしたいと思えます。
単に労働力を提供する関係ではなく、その人の将来のキャリアまで考えて接していただいている。これは派遣する側としても非常にありがたいですし、メンバーのモチベーションにも直結しています。
互いに刺激を受け
感化し合うことで生まれる相乗効果
私たちにとっても、SHIFTさんとの協業は大きな刺激になっています。社内だけで完結していると、どうしても視点や知見が偏ってしまう。SHIFTさんはゲーム業界に限らず、金融や流通などさまざまな業界の知見をおもちで、「他社ではこういう取り組みがあります」「最近はこうしたAI活用が進んでいます」といった外からの新しい風を吹き込んでくれます。
業界ごとに培われた知見は、それぞれつながっていますからね。ある業界では当たり前のことが、別の業界では革新的なアイデアになることもある。そうした知見を掛け合わせて提供できるのが、私たちの強みだと思っています。
桑原さんのような新しいタイプの方が入ってくれることで、既存メンバーも「そんな考え方があるのか」と刺激を受けます。お互いに感化し合いながら、組織として強くなっていく感覚がありますね。
外部の知見を取り入れ
さらなる「ユーザーサプライズ」へ
最後に、今後の展望についてお聞かせください。
最終的なゴールは、やはり「ユーザーサプライズファースト」です。ユーザーのみなさまに驚きと喜びを届けるために、品質保証グループとして何ができるのか。自分たちだけで考えられることには限界があります。だからこそ、これからも植木さんや桑原さんには、「耳の痛い指摘」も含めて、率直に提案していただきたいと思っています。これからも、単なるビジネスパートナーではなく、同じゴールを目指す「仲間」として、一緒にサービスを育てていけたらうれしいです。
もちろんです。私たちも、MIXI様の「ユーザーサプライズ」を支える一員であるという誇りをもって、良いことも課題も本音でお伝えし続けていきたいと思います。
私自身は、いつか自分が現場を離れたあとも、組織が自走し、さらに進化していける状態をつくることが理想です。その実現に向けて、引き続き全力で伴走させていただきます。
※掲載内容は2026年1月取材時のものです。
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