株式会社オプティム様 導入事例
AI・IoTサービスの拡大と、
求められる品質向上について
Summary
2019年8月9日、品川THE GRAND HALLでSHIFT恒例の「89(バグ)祭 2019」を開催。『ITトレンド×SHIFT』をテーマに、SHIFTとユーザー様との「品質」に関する取り組みについてユーザー様視点でご講演いただきました。当時、株式会社オプティム様にご登壇いただいた「AI・IoTサービスの拡大と、求められる品質向上について」から抜粋して、SHIFTのテスト支援をご紹介させていただきます。
サービス拡大に伴って、求められる品質。
IoT機器から情報を集約しデータを蓄積し、AIで解析を行うプラットフォームであるOPTiM Cloud IoT OSを提供する株式会社オプティム様。IT×農業、医療、建設などあらゆる分野で展開する主力製品の品質向上をSHIFTがご支援いたしました。
さまざまな分野に対して同時並行でサービス拡大していくなか、徐々に品質面の課題も明らかになってきた。その背景として、マイクロサービスアーキテクチャを使っていたことで、統合して試験するという観点をあまり持っておらず、品質課題を招いた、と話すオプティム様。
そこで2つの軸で品質向上に取り組みました。
・フロントエンド(画面)→ SHIFTメンバー中心にテスト専任チームを立ち上げて品質向上
・API連携 → テスト自動化による開発効率と品質向上
新テストチームを立ち上げ、フロントエンド(画面)の品質向上
リリース速度を維持しながら、既存システムの品質向上およびリリース時の障害を抑制することを目指して、SHIFTのメンバーを中心に新たにテスト専任チームの立ち上げに着手しました。
進め方としては、まずは現状分析により改善点を洗い出しました。
<改善点>
✓デリバリー最優先で実装された機能が多く、ドキュメントが不十分であった
✓対象アプリ数が多いため、物理的にもリソース的にも短期間ですべてのアプリケーションの検証が困難な状況
✓既存不具合の大半が、実装時の確認漏れおよび設計時の考慮不足であった
その上で、4ステップのテスト戦略を実行しました。
1) 設計書を必要としないシナリオテストおよびアドホックテストを中心に実施(ここである程度の不具合抽出する狙い)
2) 月1リリースごとに更新対象アプリのテスト設計を行い、(新たに開発するものから実施)徐々に全体に対象を広げていく
3) 作成したテスト項目をリグレッションテストとしてリリースごとに再利用
4) 全体がカバーできた段階でより深い検証(機能テスト)の設計・実施
テストチーム立ち上げによる成果は以下の通り。
品質改善はもちろん、
・半年間で不具合件数が大きく減少
・大半の不具合を開発環境で摘出
・月1回のリリースにあわせたテスト設計と実行が可能に
・約30,000ケースを実行できる体制の構築
・リリースを重ねるごとにテスト設計書をアップデート、実行数もそれに伴い増加
テストチームによって統合テスト以降の品質が改善。一方で、検出された不具合の原因に変化はあまりなかったため、根本解決には上流工程での改善が必要であることを再認識でき、今後は、開発チーム専任のテストメンバーを設計レベルから入れることで、上流工程での品質改善へ取り組んでいくことになりました。
ドキュメント整備とAPI連携のテスト自動化によって、開発効率と品質向上へ
プラットフォームビジネスではAPIが主商品で、現在公開されているだけでも100以上のAPIが存在しています。そのため、改修に伴って意図しない外部仕様の変化、リファレンス記載のミスや記載のない挙動、ドキュメントそのものが全体的に不足、などの原因で品質課題が多発していました。
その対策として、ドキュメント整備とテスト自動化に着手したオプティム様。具体的には、既存リファレンスを定義書に新テストチーム側で転記、開発側で不足部分を補記、打鍵を兼ねて自動テスト開発するという流れを実行。現状は9割近くまで進捗している状態です。
現在は、月1回のリリースよりも頻度を上げられるように、高速かつ高頻度リリースができる状況を目指して、CI/CDパイプラインの構築を予定しています。
まとめ
プロジェクト成功のポイントは、テストチーム体制の早期立ち上げと現状分析に基づいた適切なテスト戦略設計、そしてテスト自動化の経験です。SHIFTには、開発のテスト工程だけでなく要件定義など上流工程を含めた品質保証の支援実績があります。さらに詳しい事例のご説明はお問い合わせフォームよりご依頼ください。
※掲載内容は2019年8月ご登壇時のものです。
株式会社オプティム様