クラウド移行を成功させるポイントは?失敗を防ぐ進め方などを解説

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クラウド移行を成功させるポイントは?失敗を防ぐ進め方などを解説
株式会社SHIFT マーケティンググループ
著者 株式会社SHIFT マーケティンググループ

Introduction

事業環境の変化に柔軟に対応できるシステム基盤への需要を背景に、多くの企業がクラウド移行を進めています。クラウド移行によって、コスト最適化や運用負荷の軽減、事業継続性の向上などが期待できる一方で、移行方式の選定やセキュリティ対策などについて、慎重な検討が必要です。

また、クラウド移行は単なるインフラの移設ではなく、企業の成長や競争力強化を支える重要な取り組みでもあります。そのため、自社の目的や課題を整理したうえで、適切な計画のもとで進めることが重要です。

この記事では、クラウド移行の概要やメリット・リスク、主な移行方式、一般的な手順、成功のポイントについてわかりやすく解説します。これからクラウド移行を検討している企業の担当者や経営層の方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

クラウド移行とは

クラウド移行とは、オンプレミス環境のシステムやデータ、アプリケーションをクラウド環境へ移したり、既存のクラウド環境を別のクラウドサービスへ移行したりすることで、「クラウドマイグレーション」とも呼ばれます。

単にサーバーを移設するだけでなく、運用方法やシステム構成を見直し、より柔軟で効率的なIT基盤へ転換する取り組みとして進められています。

従来のオンプレミス環境では、サーバーの調達や保守、障害対応などを自社で担う必要がありました。一方、クラウド環境では必要なリソースを柔軟に利用できるため、運用負荷の軽減や迅速なシステム拡張が期待できます。

クラウド移行は、初期コストの抑制やシステムの柔軟性・拡張性の向上、開発期間の短縮などを実現する手段として注目されています。また、新しい技術やサービスを試しやすくなることから、DXを推進するうえでの選択肢のひとつにもなります。

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クラウド移行が注目される背景

近年、クラウド移行への関心が高まっている背景には、企業を取り巻く事業環境の変化があります。

ここでは、クラウド移行が注目されている主な背景について解説します。

・システム開発やサービス提供の迅速化
オンプレミス環境では、設備調達や環境構築に時間がかかる場合があります。一方、クラウド環境では必要なリソースを短期間で用意できるため、市場や顧客ニーズの変化に応じてシステムを展開しやすくなります。こうした対応力の向上は、DXを進めるうえでも役立ちます。

・リモートワーク対応
リモートワークやハイブリッドワークの普及も大きな要因です。クラウドサービスには標準的なセキュリティ機能が備わっており、インターネット経由でも安全に業務システムを利用しやすいことが、注目される理由のひとつです。

・老朽化したシステムを刷新する必要性
多くの企業で、サーバーやシステムの老朽化が進んでいます。設備更新や保守にかかる負担を軽減するため、クラウドへの移行を検討する企業が増えています。

・インフラ運用負荷の軽減やBCP強化への関心の高まり
自然災害やシステム障害が発生した場合でも事業を継続できる体制の整備が、企業の重要な課題となっています。こうしたなか、災害や障害に備えたIT基盤を構築する選択肢のひとつとしてクラウドが注目されており、BCP対策の観点から移行を検討する企業も増えています。

このように、企業を取り巻く環境は変化し続けていることから、クラウド移行の重要性が高まっているのです。

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クラウド移行のメリットと注意すべきリスク

クラウド移行には多くのメリットがありますが、移行方法や移行後の運用によっては、期待した効果が得られない場合もあります。メリットとリスクの両方を理解したうえで進めることが重要です。

ここでは、クラウド移行のメリットとリスクについて解説します。

クラウド移行の主なメリット

クラウド移行の主なメリットは、以下のとおりです。

・コストの最適化
オンプレミス環境では、サーバーやネットワーク機器の購入が必要ですが、クラウドでは、利用量や確保したリソース、契約プランなどに応じて料金が発生します。物理設備の購入に伴う高額な一括支出を抑え、利用量に応じた少額の継続的な支出へ移行できる場合があります。また、設備更新のタイミングに左右されにくくなり、中長期的なIT投資計画も立てやすいでしょう。

・運用・保守負担の軽減
クラウド事業者が物理設備などを管理するため、自社で担う保守業務の一部を軽減できます。ただし、クラウド事業者が担う管理範囲は、IaaS・PaaS・SaaSなどのサービス形態によって異なるため、利用者側はその範囲を把握したうえで、必要な運用・管理を行うことが重要です。物理設備に関する負担が減ることで、IT部門はより重要な業務にリソースを集中しやすくなります。

・拡張性と柔軟性の向上
利用状況に応じてリソースを増減できるため、事業拡大やアクセス数の増加にも柔軟に対応できます。新サービスの展開や急な利用者の増加にも対応しやすく、ビジネスのスピード向上につながるでしょう。

・セキュリティやBCP対策の強化
クラウドサービスには、セキュリティやバックアップ、冗長化に活用できる機能が用意されています。適切に設計・設定することで、セキュリティやBCPの強化につなげられる可能性があります。自社のみで同等の環境を構築するよりも、効率的に対策を進められる場合があります。

・DXを推進しやすい
AIやデータ分析などのクラウドサービスを利用しやすくなり、DXの取り組みを迅速に進められるようになります。変化の激しい市場環境に対応するための基盤としても、クラウド活用が進んでいます。

クラウド移行で起こりやすいリスク

クラウド移行で起こりやすいリスクは、以下のとおりです。

・想定以上のランニングコストが発生する可能性がある
利用状況によっては、クラウド利用料が増加する場合があります。移行費用や運用費用も含めて、事前に試算することが重要です。特に利用量が多いシステムでは、移行前後のコスト比較を十分に行う必要があります。

・既存システムとの連携に課題が生じる
古いシステムや複雑な外部連携があるシステムでは、移行後に不具合が発生する可能性があります。そのため、事前調査やテスト環境での検証が欠かせません。

・セキュリティ設定ミスのリスク
アクセス権限や公開設定のミスによって、情報漏えいにつながる可能性があります。そのため、クラウドサービスの機能を正しく理解し、適切に設定・運用することが重要です。

・クラウドに精通した人材の不足
クラウド環境の設計や運用には、専門知識が必要です。そのため、人材不足によって運用負荷が高まるケースもあります。必要に応じて、外部パートナーを活用することも検討しましょう。

クラウド移行の主な方式と選び方

クラウド移行には複数の方式があり、選択する方式によって移行コストや期間、得られる効果が異なります。そのため、自社の課題や目的に応じて、適切な方式を選ぶことが重要です。

また、すべてのシステムを同じ方法で移行する必要はありません。システムの重要度や老朽化の状況に応じて、複数の方式を組み合わせるケースもあります。

ここでは、クラウド移行の主な方式と選び方について解説します。

リホスト

リホストは、既存システムの構成を大きく変更せずにクラウドへ移行する方法です。既存環境を大きく変更せずに移行することから、一般に「リフト&シフト」とも呼ばれます。

短期間で移行しやすく、初期費用を抑えられることが特徴です。そのため、老朽化したサーバーの更新や早期のクラウド化を目的とする企業に向いています。

一方で、システム構成をそのまま移行するため、クラウドの機能を十分に活用できない場合があります。まずはクラウド環境へ移行したい企業に適した方法です。

リプラットフォーム

リプラットフォームは、既存システムを活用しながら、クラウド向けに一部最適化する方法です。たとえば、データベースをクラウドのマネージドサービスへ移行することで、運用負荷の軽減や可用性の向上を図ります。

既存資産を活かしながら、クラウドのメリットを取り入れられる移行方式です。リホストと比べて、運用効率の向上が期待できる点も特徴です。

リファクタリング

リファクタリングは、既存アプリケーションを改修しながら、クラウド向けに最適化する方法です。アプリケーションの拡張性や保守性を高め、クラウドの機能を活用しやすくなる点がメリットです。クラウド移行の分類によっては「リファクタリング」と「リアーキテクト」をまとめて、ひとつの移行戦略として扱うこともあります。

ただし、システム改修が必要になるため、移行期間が長くなり、コストも高くなる傾向があります。将来的な機能拡張や継続的なシステム改善を重視する企業に適した方法です。

ハイブリッドクラウドという選択肢

すべてのシステムをクラウドへ移行するのではなく、オンプレミスとクラウドを組み合わせる方法もあります。

たとえば、法令・社内規程への対応や既存システムとの連携、低遅延性の確保などを理由に、一部のデータやシステムをオンプレミスに残し、それ以外をクラウドで運用するケースがあります。

既存資産を有効活用しながら段階的にクラウド化できるため、一度に全面移行する場合と比べて、業務への影響を抑えやすい点がメリットです。

ただし、管理が複雑になりやすいため、システム運用ルールの整備が必要になるでしょう。

一般的なクラウド移行の手順

クラウド移行を成功させるためには、事前準備から移行後の運用までを見据えた計画的な取り組みが重要です。準備不足のまま進めると、想定外のコストの発生や業務への影響が生じる可能性があります。

ここでは、一般的なクラウド移行の進め方を紹介します。

STEP1:現状を分析して課題を洗い出す

まずは、現在のシステム構成や運用状況を把握します。

利用しているシステムやサーバー、データ量、システム連携などを整理し、課題を明確にします。また、クラウドへ移行するシステムとオンプレミスに残すシステムを選定することも重要です。

この段階で現状を正しく把握しておくことにより、移行後のトラブルを未然に防ぎやすくなります。あわせて、システムごとの重要度や利用状況も整理しておくと、その後の優先順位付けに役立ちます。

STEP2:移行目的とゴールを明確にする

次に、クラウド移行によって何を実現したいのかを整理します。

コストの見直しや業務効率化、セキュリティ強化、サービス提供の迅速化など、実現したいことを明確にすれば、適切な移行方針を定めやすくなります。

また、移行後に成果を評価できるよう、具体的な目標や指標を設定しておくことも重要です。経営層と現場担当者で認識を共有しておくことで、プロジェクトを円滑に進められるでしょう。

STEP3:移行方式とクラウドサービスを選定する

目的やシステム特性に応じて移行方式を選択します。

また、利用するクラウドサービスも検討します。機能や料金体系、サポート内容などを比較し、自社に適したサービスを選ぶことが重要です。

システムによって最適な移行方式は異なるため、すべてを同じ方法で移行する必要はありません。将来的な拡張性や運用負荷も考慮しながら、選定を進めることが大切です。

STEP4:移行計画を策定する

移行スケジュールや担当者、予算を整理し、具体的な計画を立てます。あわせて、障害発生時の対応方法や切り戻し手順も準備しておくことで、移行時のリスクを抑えられます。

また、関係部署への周知や役割分担を明確にしておくことも重要です。事前の準備を丁寧に行うことで、移行作業をスムーズに進めやすくなります。

STEP5:テスト移行と本番移行を実施する

本番移行前には、テスト環境で動作確認を行います。システム性能や連携機能、セキュリティ設定などを検証し、事前に定めた受け入れ基準を満たしていることを確認したうえで、本番移行を実施します。

テスト段階で課題を発見できれば、本番環境への影響を抑えやすくなります。また、本番移行後もしばらくは監視体制を強化し、迅速に対応できるようにしておくことが重要です。

STEP6:移行後の運用改善・コスト最適化を行う

クラウド移行は、移行が完了すれば終わりというものではありません。利用状況やコストを継続的に確認し、リソースの最適化やセキュリティ対策の見直しを行うことで、クラウドの効果を最大化できます。

さらに、利用部門からの意見を収集しながら運用ルールを改善していくことも重要です。継続的な改善活動によって、クラウド環境の価値をより高められます。

クラウド移行を成功させるポイント

クラウド移行を成功させるためには、技術面だけでなく、運用や組織体制も含めて検討することが重要です。

ここでは、クラウド移行を成功させるための重要なポイントについて解説します。

移行の目的を明確にする

クラウド化そのものを目的にするのではなく、何を実現したいのかを明確にすることが重要です。

目的が明確になれば、適切な移行方式や投資判断を行いやすくなります。また、移行後の効果測定もしやすくなります。

段階的に移行する

すべてのシステムを一度に移行すると、障害発生時の影響が大きくなる場合があります。

まずは影響の少ないシステムから移行し、経験やノウハウを蓄積しながら段階的に進めることが望ましいでしょう。

段階的な移行は、トラブル発生時の影響を抑えることにもつながります。

移行前にデータとシステムを整理する

不要なデータや利用されていないシステムまで移行すると、コスト増加や運用負荷の原因になります。

移行前に資産を棚卸しし、法令や社内規程、利用状況を確認したうえで移行対象を選別して、不要なデータは所定の手続きに従って整理することが重要です。

あわせてデータ管理ルールを見直すことで、移行後の運用効率向上も期待できます。

セキュリティ対策を徹底する

クラウドサービスの安全性だけに依存せず、自社でも適切なセキュリティ対策を講じる必要があります。

アクセス権限の管理や多要素認証、ログ監視などを実施し、安全な運用体制を整えましょう。

また、定期的なセキュリティチェックや従業員への教育を継続することも重要です。

コストを継続的に管理する

クラウドでは、利用量や確保したリソース、契約プランなどに応じて料金が発生します。移行後も定期的に利用状況を確認し、不要なリソースの削除や構成の見直しを行うことで、コストを最適化できます。

継続的なモニタリングによって、無駄な支出の発生を防ぎやすくなります。

人材育成とパートナー活用を進める

クラウド環境の運用には、専門知識が求められます。

社内教育を進めるとともに、自社だけで対応が難しい場合は、外部パートナーの支援を活用することも有効です。

移行実績や専門知識をもつパートナーを選定することで、移行に伴うリスクを抑えやすくなります。

まとめ

クラウド移行は、システムやデータの移行を通じて、効率的で変化に対応しやすいIT環境を整える取り組みです。

コスト最適化や運用負荷の軽減、拡張性の向上など多くのメリットが期待できる一方で、コスト管理やセキュリティ対策など注意すべき点もあります。

クラウド移行を成功させるためには、移行目的を明確にし、自社に適した移行方式を選択することが重要です。また、段階的な移行や運用体制の整備を進めることで、クラウドの効果を最大限に活かせるでしょう。

クラウド移行をスムーズに進めるならSHIFTにお任せ

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SHIFTのマイグレーション支援では、多様な開発言語や製品に対応し、プロジェクトの要件に応じたツール、ソリューション、人材を選定・提供します。さらに、標準化やナレッジの蓄積、他部署への展開など、組織横断的な取り組みも支援します。

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永井 敏隆

監修

株式会社SHIFT
「ヒンシツ大学」クオリティ エヴァンジェリスト
永井 敏隆

大手IT会社にて、17年間ソフトウェア製品の開発に従事し、ソフトウェアエンジニアリングを深耕。SE支援部門に移り、システム開発の標準化を担当し、IPAのITスペシャリスト委員として活動。また100を超えるお客様の現場の支援を通して、品質向上活動の様々な側面を経験。その後、人材育成に従事し、4年に渡り開発者を技術とマインドの両面から指導。2019年、ヒンシツ大学の講師としてSHIFTに参画。

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・コンポーネントテスト講座
・テスト自動化実践講座
・DevOpsテスト入門講座
・テスト戦略講座
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など多数

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ヒンシツ大学とは、ソフトウェアの品質保証サービスを主力事業とする株式会社SHIFTが展開する教育専門機関です。
SHIFTが事業運営において培ったノウハウを言語化・体系化し、講座として提供しており、品質に対する意識の向上、さらには実践的な方法論の習得など、講座を通して、お客様の品質課題の解決を支援しています。
https://service.shiftinc.jp/softwaretest/hinshitsu-univ/
https://www.hinshitsu-univ.jp/
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この記事を書いた人

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著者 株式会社SHIFT マーケティンググループ

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