• 業種ゲーム/エンターテインメント
  • 企業規模501~1,000名以下
  • 導入サービス
    テスト計画テスト設計テスト実行

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Summary

「面白法人」として多岐にわたる事業を展開するカヤック様。急成長を遂げる開発現場において、品質管理(QA)でSHIFTは10年以上にわたり伴走し続けています。変化の激しいエンターテインメント開発の現場で、両社が独自のQAプロセスを築き、「壁打ち」できるQAパートナーへと進化してきた背景と、AI時代に向けたQAの展望を伺いました。

急成長する「面白法人」
幅広い事業展開と品質体制の課題

御社の事業内容とご依頼いただいた背景をお聞かせください。

面白法人カヤック
面白法人カヤック 企画部・推しM&A担当者 島野 様(以下、島野 様)

弊社は「面白コンテンツ事業」として、ゲーム・アニメ関連事業と面白プロデュース事業の二本柱で展開しています。代表的な事例として、「うんこミュージアム」のような体験型コンテンツを手がけるほか、近年は地方創生事業にも取り組んでいます。
現在はグループ21社体制で、ゲームに加えてアニメーション分野にも注力しています。直近では、アニメ・ゲーム制作を担うカヤックアキバスタジオを中心に、デジタルアニメーションの撮影・制作を行うアスラフィルム、アニメの映像制作を行うラゾ、3DCG制作を担うカヤックポラリスの4社で構成する「カヤックアニメーション」を立ち上げ、国内外のアニメ制作に携わっています。こうした体制強化により、以前にも増して多様なコンテンツを生み出せるようになっています。 

面白法人カヤック
SHIFT 高野

「ケツバトラー」のようなユニークなゲーム開発やアニメーション制作にも注力されていますよね。ブラウザゲーム黎明期からご一緒しています。 

島野 様

事業の拡大に伴い、品質管理(QA)面で課題が顕在化していました。開発組織が急速に拡大する一方で、QA体制の整備が追いつかず、プロジェクトが進むなかで体制強化の必要性が高まっていたのです。そこで、品質の専門家であるSHIFTさんにご支援をお願いしました。 

泥臭い品質づくりからのスタート
両者手探りで構築したQAプロセス

お取引はSHIFTがエンタメ領域を本格化させる以前からと伺っています。
当時の状況を教えてください。

面白法人カヤック
SHIFT 植木

はい。エンターテインメント事業が本格化する前から常駐でご支援し、役員も含めて関わらせていただいています。2014年には両社がほぼ同時期に東証マザーズ(当時)へ上場を果たすなど、ご縁も感じています。

島野 様

当時印象的だったのは、常駐されていたSHIFTの管理者の方とお話しした際に、「QAについて一緒に前向きに議論できて心強い」とおっしゃっていただいたことです。QA体制が発展途上のなか、常駐されていたSHIFTの管理者の方も現場と連携しながら試行錯誤を重ねていらっしゃいました。それでも根気よく品質を守るために支えてくださっていました。そこに私が加わり、「属人的なテストではなく、QAプロセスを構築しよう」と提案しました。両社で議論を重ねながら、泥臭く品質の基盤を整えていきました。

SHIFT 高野

当時の状況が目に浮かびます本当にゼロからのスタートだったのですね。 

プロセスと柔軟性のバランス
変化の激しいエンタメ開発に求められる独自の品質管理

カヤック様はウェブ、アプリ、ゲーム、さらに準医療系や決済系など、多様なプラットフォームで多数の案件を手がけていらっしゃいます。
品質を保つむずかしさについて意識してきたことを教えてください。

島野 様

毎月10~15件の案件が並行して動くなか、グループ全体で一貫した品質を保つことが私の最大のミッションです。そこで重要になるのが「プロセスと柔軟性のバランス」です。第三者検証のプロとして、定まったプロセスを着実に進めていただくことは重要です。一方で、エンタメ開発、とくにソーシャルゲームでは仕様変更が日常的に発生します。決められたテストケースを消化するだけでは、現場のスピードに追いつけません。 

面白法人カヤック
SHIFT 甲田

「面白さ」を追求するなかで、終盤に大きな変更が入ることも珍しくありませんからね。 

島野 様

だからこそ、状況に応じて優先順位を見極め、柔軟に対応できることが不可欠です。SHIFTさんは、CAT(テスト計画・進捗・結果を一元管理するテスト管理ツール)を活用した厳格な品質基準をちながら、エンタメ特有の泥臭さや柔軟性にも応えてくれる。この両立が大きな魅力だと感じています。 

プロパーと同じ目線で「壁打ち」できるパートナー:企画や上流工程から伴走する体制づくり

「上流から伴走する」とのお話がありましたが、
現場ではどのように実現できているのでしょうか?

SHIFT 甲田

島野さんからは、スケジュールの前段階からご相談をいただいています。QAが最下流から参画し、手の施しようがない状態になるケースも少なくないなか、早期から関われることで、「こうしたい」という提案もできますし、ご要望を踏まえた具体的な設計も可能になります。 

面白法人カヤック
島野 様

ソフトウェア開発には「ルールオブテン」という考え方があります。工程が後になるほど不具合修正コストが大きくなり、場合によっては10倍ずつ膨らんでいくというものです。最終工程のQAで重大な問題が見つかれば、修正だけでなく関係者との調整も含め、多大なコストが発生します。
だからこそ、品質は最後のQA工程で確認するものではなく、プロジェクトの初期段階からつくり込んでいくものだと考えています。上流工程の企画者や開発者も巻き込みながら、逆算してプロセスを設計することが重要です。SHIFTさんと早い段階から壁打ちを重ね、「どのような体制で、どのレベルの品質を目指すのか」を綿密にすり合わせながら進めています。

SHIFT 高野

業界では、下流で「どうにもならない状態」になってからQAが入ることも少なくありません。その点、カヤック様では前段階からご相談いただけるため、本質的な価値を発揮できていると感じます。 

型にはまらない、泥臭さと柔軟性をもつ人材のアサイン

長年にわたり、多くのメンバーが常駐・参画しています。
弊社の人材について、率直な評価をお聞かせください。

面白法人カヤック
島野 様

私がSHIFTさんを高く評価している理由のひとつは、数値化しにくい力(非認知能力)の高い人材をアサインいただける点です。テスト仕様書通りに実行する力も重要ですが、弊社のような環境では、コミュニケーション力や場の空気を読む力、急な変更への適応力といった力が欠かせません。
組織が急成長しても、この「泥臭さと柔軟性」をもつ優秀な方を継続的にアサインしてくださる点に、大きな信頼を感じています。

SHIFT 甲田

ありがとうございます。私自身、前職からエンタメ領域に特化してキャリアを積んできました。SHIFT入社後はJSTQB(ソフトウェアテスト技術者資格制度)などでソフトウェアテストの体系的な知識を身につけ、エンタメ特有の“我流”になりがちな部分に、論理的な品質保証のノウハウを掛け合わせられるようになりました。

SHIFT 植木

コロナ禍前は、毎日鎌倉や横浜の現場に通える人材は、生活面も含めて限られていました。そのなかで、真面目に現場へ向き合い、やり切る力のあるメンバーが集まってきた歴史があります。そうした知見と姿勢をもつ人材を育成し、現場に送り出せるようにいまも意識しています。

「どうしたいか」を語り合える提案力と
現場を牽引する自走力

「壁打ちできるパートナー」という言葉は、現場でどのように体現されていますか?

面白法人カヤック
島野 様

私がざっくりと「こう進めたい」と企画の骨子を投げると、それをどう実務に落とし込むかまで自社社員(プロパー)と同じ目線で考え、現場を前に進めてくれます。単なる外注先ではなく、プロジェクトを推進する“自走力”があると感じます。
甲田さんが入られてから特に感じていますが、地道なタスクの切り出しや逆算思考で、上流の関係者を巻き込みながら進めてくれる。現場を任せられるからこそ、私はグループ全体の品質管理という上位ミッションに集中できています。 

SHIFT 高野

テストにとどまらずアプリや決済、地域活性化型サービスなど幅広くご支援できているのは、カヤック様との「壁打ち」を通じて鍛えていただいたからこそだと感じています。 

長年のお付き合いのなかで、印象に残っているエピソードはありますか?

面白法人カヤック
SHIFT 植木

島野さんは普段とても冷静でロジカルな方ですが、品質やプロジェクトの方向性には強い熱意をおもちです。
以前、進行上の論点を電話で共有しながら改善策を検討した際も、感情論ではなく「なぜそうすべきか」「それによってどんな結果が得られるのか」を丁寧に言語化されていました。率直に意見を交わし、妥協なく議論できる関係性を築けていると感じています。

パートナー選定においてはさまざまな企業と比較・検討されてきたと思います。
そのなかで、改めてSHIFTの強みや価値を感じられた点があれば教えてください。

SHIFT 高野

ちょうど私が担当を引き継いだ時期でした。「今回は他社にします」と伺った時は悔しかったですね。ただ、いつでも戻っていただけるよう、具体的なご提案を続けていました。 

島野 様
新しいチャレンジとの相性を測ったり、受託案件の事情もあるため、基本的には相見積もりで進めています。その時々で、各社の特色や魅力、新たな変化に気づくこともあります。
当時、社内では単なるコスト削減ではなく、「品質を担保しながら、コストと稼働の柔軟性を両立する」体制づくりを進めていました。比較的コストを抑えやすい体制をベースとしながらも、仕組み化や運用整備を徹底することで、コアテクノロジー領域や準医療系、決済系など、高い品質基準が求められる案件にも対応できる体制を構築してきました。
この取り組みの立ち上げ当初から伴走いただいているのがSHIFTさんです。他社であれば事業部の垣根を超えるようなアプローチに慎重になるケースもあると思いますが、SHIFTさんは「まずやってみましょう。社内の調整も含めて対応します」という姿勢で支えてくださいました。今もその取り組みは継続しています。
また、課題を予見し、先回りして対応する力の高さも実感しています。現場を前に進める推進力や、継続的に価値ある提案をいただける姿勢は、大きな強みだと感じています。今回の取り組みは、会社を超えて信頼できるパートナーを見極める機会でもありました。ウェブ、アプリ、ゲーム、xR、準医療系、決済系など幅広い領域に対応できる、信頼できる事業パートナーだと認識しています。

AI時代を見据えて描く、QAの未来
AIコーディング時代における開発とQAの変化

IT業界全体でAI活用が進んでいます。多様な事業を展開されるなか、
QAの未来はどう変わるとお考えですか?

面白法人カヤック
島野 様

ここ1〜2年で開発スタイルは大きく変わると見ています。ワイヤーフレームやデザインを経て実装する従来の流れから、デザイナーがAIを活用して直接コーディングする時代が目前に来ています。短期間・低コストでプロトタイプを打ち出せる世界です。そうなると、QAだけが人力中心ではボトルネックになります。ウェブ、ゲーム、準医療系など幅広い事業をもつ当社にとって、AI活用の余地は非常に大きいと感じています。

SHIFT 高野

弊社でも「ネムラナイ」といった24時間稼働を想定したAI活用型のテスト体制など、AIによるテスト自動化を推進しています。人手とAI活用の差は急速に縮まっており、近い将来、AIの方が速く・効率的にデリバリーできる領域が広がると考えています。 

島野 様

まさにそうですね。DevTools(開発ツール)や生成AIの進化を見ると、設計から実装、分析までAIが担う世界が現実味を帯びています。QAもその前提で再設計すべき段階に来ていると思います。

AIによる効率化と、人にしかできない
「使い勝手やフィーリング」の評価

自動化が進む一方で、エンタメ特有のAIに任せられない領域もあるのではないでしょうか?

面白法人カヤック
島野 様

自動化は、ぜひSHIFTさんのようなトップランナーに牽引していただきたい。一方で、AIだけでは完結しない領域があります。それが「使い勝手」や「熱中できるか」といった“面白さ”の評価です。網羅的なテストはAIに任せ、人は感覚的な価値の検証に集中する。今後は、AIによる効率的な基本テストと、有識者目線の「フィーリング評価」を組み合わせたサービスが必要になるはずです。短期間でプロの視点から面白さを見極めるニーズは、確実に増えていくと思います。

SHIFT 高野

自動化によって人が機械的作業から解放され、本来の“感性のテスト”に集中できるということですね。 

島野 様

そうですね。職能の境界が曖昧になるなかで、新しい知見を取り込み、複数の専門性が連携するプロセスを一緒に築いていけると理想的です。 

今後の両社の関係について、展望をお聞かせください。

島野 様

SHIFTさんは多様な業界の案件を手がけており、AI活用や新しいテスト手法の知見を豊富におもちです。ぜひその知見を当社の現場にも還元していただきたい。また引き続き、泥臭い現場に挑戦できる非認知能力の高い方に参画いただけると嬉しいですね。ゲーム、アニメ、ウェブ、決済、医療系まで揃う当社の環境は、御社にとっても幅広い経験を積める成長の場になるはずです。そうした相互成長の関係をこれからも続けていきたいと思っています。

SHIFT 高野

ありがとうございます。AIや自動化の標準化を強みに、効率化と人にしかできない品質向上の両立を実現してまいります。カヤック様の多様な事業に寄り添い、これからも進化し続けるパートナーでありたいと考えています。

面白法人カヤック

※掲載内容は2026年5月取材時のものです。

面白法人カヤック

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